2018/01/06.Sat

刷り込みのことなど (九谷焼青手芭蕉文豆皿)

小寒を過ぎ、時雨模様の一日、お庭が寂しいのでホームセンターに行く。
帰って小腹が空いたのでよつ葉のパンケーキを焼く。
パンケーキ・・・今はホットケーキとは言わないのかな?

子供のころ、まだ地方都市も十分に栄えていた時代、
デパートの上にある食堂でホットケーキを食べるのが贅沢だった。
当時はデパートに行くとなると、服装もきちんとして行ったものだ。
(今ではすっかりユルい三毛庵であるが。。)
まだ学校に上がる前のことであったので、美味しいホットケーキも
全部食べ切ることはできなかった。
すると母が残りを包んで持って帰ってくれたものだ。
持ち帰ったホットケーキを家で食べたという記憶がないのは、
デパートでの特別なおやつの記憶があまりに鮮烈だったからか、
あるいは残り物は母が食べてくれていたからか、どちらだろう。
今でもつい食べ残すことのないように、といやしく食べる三毛庵である。

ホットケーキにはもうひとつ思い出がある。
学生時代、三毛庵は妹と自炊をしていたのだけれど、
当時ふたりの贅沢なおやつといえば、ロッテのチョコパイか
ホテルニューオオタニのミックス粉を焼いたホットケーキであった。
ロッテのチョコパイは、じゃんけんで負けたほうが自転車でコンビニへ買いに行き、
勝ったほうがお茶を淹れる、という決まりだったように思う。
ホテルニューオオタニのミックス粉というのは確か今もあるはずだ。
永谷園が出していて、お茶漬けとホットケーキの関連性は疑うが、
とにかく当時のほかのミックス粉に比べて高級なぶん、美味しかったのである。

パンケーキ時代の幕開けは、ハワイである。
オアフ島のワイキキ辺りのホテルから、のんちゃんと友人と、
あれはレンタカーを借りに行く途中であったのだろうか、
とても美味しそうなパンケーキのお店をみつけ、朝からおやつにいただいた記憶がある。

あの時以来、いまだにパンケーキとホットケーキの違いが判らぬ三毛庵であるが、
粉を膨らませただけのものが今も「特別なおやつ」として君臨している。

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骨董を始めたころ、手始めに買ってみたのは九谷焼だったような気がする。
なぜかはあまり覚えていないが、市で手軽に手にすることができたし、
親も九谷焼を好んでいたような記憶があり、何か親しみがあったのかもしれない。
でもまぁ三つ子の魂というのか、今も九谷焼は好きなのである。
三毛庵はいやしいので、例えば渋い土ものもよいなぁ、と思ったりもするけれど、
キラキラ✨の九谷焼なんかも美味しくいただくのである。

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長径が7.5cmと豆皿サイズなので、
のんちゃんにそんなん何に使うん?と聞かれた。
「いや、ホットケーキのときのバター入れとかね。」などと考えてみたが、
いいのである、使えなくとも。小っちゃくて可愛いんだから♪

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ちびっこの割には芭蕉の葉脈とか背景のぽつぽつとかが
生き生きと描けていて、そう悪いものじゃないと思うのだけれど。

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明治頃、と言われそんなに時代があるのかは多少疑問の余地があるが、
フリモノがあって電気窯ではなさそうである。
まぁでも、時代というのはあんまり関係ないかな。
気に入って、そのお値段が自分の価値観に合えば買うというだけのことだ。

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よつ葉のパンケーキ♪

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お庭に植えたガーデンシクラメン。
ピンク色でシルバーリーフなので銅葉の西洋岩南天のそばに。。

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小さなプランターに入ったお買い得なビオラセット。
のんちゃんが中で一番こじゃれたお色のをゲット。
(骨董をやっていると、こういうとき目ざとくなる。)

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お買い得になっていたシクラメンから、のんちゃんがよい性質のんを選ぶ。
三毛庵の家は平素結構お寒いのでシクラメンは冬の定番品。

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実は三毛庵、もう一鉢買ってしまった。
のんちゃんが「こっちならそのお値段で2つ買えるよ」と、
先ほどのお買い得品を示したのであるが、
それを聞いた三毛庵、「そっか、2つ買っちゃえばいいんだぁ♪」
三毛庵も結局のところシクラメンは赤や白の古典的なのが好きである。
このようなピンクのフリフリなどは滅多に買わないぐらいだ。
でもこの株、お値段の割にすごく出来が良かったのん。
何しろ育種家の孫なもので、優秀な個体には目がないのである。

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シクラメンの花は、炎のように反り返るさまが美しいのであるが、
この品種は蕾が膨らんで、反り返る前の壺形がチャーミングである。
最近、「盛って」いるのも素直に愉しめるようになったのは、トシのせいか?

考えてみればシクラメンも子供のころの刷り込みだよなぁ。
いいトシになっても活きる刷り込みは親に感謝しなければ。。


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2017/11/26.Sun

パンケーキを焼く也 (古九谷写蔦文小皿)

久しぶりに25日が土曜日だったので天神さんに行きたかったけれど、
目は覚めたものの軽い頭痛と疲れがあって行くのを諦めた。
平素このようなことで諦める三毛庵ではないのだが、
今週のへこたれ具合は凄まじく、ものへの愛情も感じられないほどであったので、
むしろ「行けなくて残念だな。」と思えるようになったのは復調の兆しかと思う。
体の痛みに始まって、頑張ろうと思うのに頑張れないエンスト状態になった。
こういうときどうしても、自分の頑張りが足りないのだと思いがちで益々消耗するのだが、
色々経験した今は、メンタルの低下も症状なのだと冷静にはなれる。
それでも自分が仕事などで人に迷惑をかけている、という状況は堪えるし、
一番きついのは自分を愛せていないということである。。
好きなおでおやつを食べて満ち足りる、そういう自分を喜ばせてあげることって
たいせつなことなのに、それができない・感じられないのは不幸である。

ものへの執着?も薄れ、、という頃にはさすがに危機感が募り、
何か打開策はないものかと色々調べてみた。
色々あっても、意欲も失っている状態では自力で何かをするのは不可能に等しい。
で、結果・・・とにかく電車にだけはなんとか乗り、とある整体に行ってみたのである。
整体といってもポキポキするようなものとは全然違うのだけれど、
ともかくも帰りはしゃんとして帰り、元気とまではゆかずとも、
ちょっとぐらい本でも眺めようかな、というような意欲というか、
自分への関心が戻ってきて、ひとまず危機的状況を脱した次第である。
自分の自律神経の脆弱性については長らく諦め気味であったけれど、
ダメもとでも暫く治療を受けてみようかな、と考えているところである。

まぁ、このような病人話はあまり書いても仕様がないのであるが、
つまりは、自分を愛せてないと流石にブログも書けんなーということなのであった。
ということで、ちょびっと復活した今、さっそく「もの」ネタをば、、

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月初に遠出したときに見つけたおのために買った、生落雁。
(本格的に寝込む前に撮った画像です。。)

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は二枚だけだったので、のんちゃんとのおやつに丁度いいかな、
と思ったのん。
五寸弱あって、デザインもシュークリームみたいな洋菓子にも合いそうだしね♪
問題はお値段が二枚買ってもいいぐらいかというところだけれど、
セット価格にしてもらって、ゴキゲンでいただくことができた次第。

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問題は・・・これが何なのかというところである。
聞くと古九谷写しだよ、とのことで、
確かに素地も白くすっきり精錬され、釉薬も殆ど色味を感じないものであり、
それはそうだなと思った。
とはいえ、、青い釉薬が素晴らしく鮮やかで、それに少し使っている紫の釉薬も
茶色にはなっていない(紫はよく茶色がかる)のがとても気になった。
写しといっても今出来ではない様子なのだが、
ここまで写せる人がいるならば、なかなかの名工ではないかしらん、と三毛庵思う。
そう思うと写しでもこんなよいもの買えるならラッキーだし、
使って楽しめるお値段だし、いろいろ妄想できるしなーということで浮かれたのであった♪

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さて、車の中で取り出して眺めていて思ったのは、
この素地もなかなかよいものだな、、というところ。
持ってみると分かるのだけど、結構薄く挽かれて手に吸い付く感じ、
三毛庵の経験するところ、高級品の感触(笑)なのだよなぁ。。
裏(無地)を撮り忘れたけど、普通の大聖寺とも違うような気もする。
明治から昭和にかけての九谷焼には、上質な素地のものが
あったりするけど、果たしてそういうもののひとつであろうか?
その上、この蔦の蔓の赤絵に、薄汚れた色の花・・・おそらく元は銀彩で、
その辺りが本歌と矛盾しないところもなかなかだなと思う。
というか、これが高級店に置かれてたら、三毛庵本歌と思ってしまいそうだ。
だってなー、素直に見てきれいやん♪

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うっとりするよな釉薬のお色♪

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これが21世紀のチャイナだったらそれはそれでびっくりであるが、
(まぁ、入手状況からしてそれでも文句は言えないが、)
いややっぱり、素地を作った人、それから絵付けをした人エライって思うな~。

というわけで素敵な菓子を手に入れてしめしめな三毛庵なのであった。
(三毛庵の妄想にピリオドを打てる情報ございましたらよろしくお願いいたします。)

朝は三毛庵、のんちゃんにコンビニのサンドイッチを買ってきてもらったが、
整体の甲斐あって負のオーラが消えたのをのんちゃんは素早く察知、
三時のおやつに「パンケーキが食べたい」とのたまわるのであった。
いやいやパンケーキはおこちゃまでも焼けまするぞ。

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粟田焼の面影残るよな昔の京焼、お気に入りのスリップウェアで
よつ葉のパンケーキミックスを焼き、久々満ち足りた気分になる。

(以下は庭の記録↓)
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2017/07/23.Sun

惡の華 (九谷赤絵金彩色絵植物文盃)

夜中というのに目が覚めてしまった。
もう少し眠れそうな気がするのに眠れない。
まぁ、日曜だし昼寝すればいいか、とのんびり構えることにする。
明け方になれば、庭でぼーっとしたりできるんだけどな。

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昨夜、ちょびっとお酒を呑む。。
フシギな金襴手の盃を買った。
外側の金彩は色々の植物で埋め尽くされている。

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千成瓢箪と瓜?であろうか。
伝統的図柄であるが、なんだかエキゾチックな描きっぷりである。

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これは何かな?朝鮮アサガオみたいなやつ。
こんな調子でぐるりと柘榴や牡丹、枇杷などがみっちり描き込まれている。
これ、結構フンパツしたのん。
見込みを覗いているうちに、無性に欲しくなっちゃったんだなぁ。。

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こんなおかしなことになっていたのん。
なんかもう、『惡の華』のオンパレードって感じなのであるからして。
外側の植物は、ほぼほぼ日本で見られそうな実在のものであったけれど、
これは何なんだ???
左のほうには何かぱかっと口を開けて笑っている様な植物とかいて、
怪しさ満載である。
これで呑んだら酔えそう、というよりも毒を盛られそうである(笑)。
(でも、実際のところ、お酒を入れると怪しいお花がゆらゆらして、
毒と言われても飲んでしまいそうに引き込まれる。)
強いて言うなら、西洋更紗を写したらこうなるような気もするが、
一体、どうしてこんなことになっちゃったんだろう?

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内側も瓔珞っぽい金彩で彩られてはいるのであるが、、
ヘンな南蛮人みたいなやつとか、西洋っぽいお魚とかがぶら下がっている。
すごく上手い絵付けだし、ちゃんと九谷の五彩だというのに・・・クレイジー!

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そんな訳で、、
あまりにマニアックで通り過ぎることができなかったのん。

(↓昨日の庭仕事の記録)
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2017/07/09.Sun

夏草 (初代八十吉の細々)

過日、花屋さんの前を通ったら七夕の笹が売られていた。
七夕飾りなど、久しくしたことがなかったけれど、
思いついて、飾りつけをした。

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七夕の日は曇りの予報であったけれど、夜にはうっすらと星が出た。
都会の灯りと満月に近い月の光で、星空というにはほど遠かったけれど。。

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庭では夏草が茂る。
昨秋植えた、斑入カリヤスも穂を上げ始める。

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部屋の中も気持ちだけ七夕飾り、、四宝とはいかないけれど、
文房具を並べてみた。

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水滴と永楽写の筆、初代徳田八十吉になる。
絵付の上手いやきものの作家さんというのはたくさんいるのだけれど、
なかで八十吉に惹かれるのは、文人の香りがすることである。
もっと上手い作家さんもいるし、古九谷や吉田屋のような古典もある。
それらと較べることはできないけれど、
八十吉の絵付には、技術的なことではない「何か」があるように思うのだ。
それはどういうことかと言われると、人としての奥行きとでもいうのだろうか。
では、他の人に奥行きはないのかと言われればそうはいえないだろう。
だから個人的に何処か共鳴するものがある、ということなのかもしれない。
(畏れ多いが。。)
三毛庵にとっては、そういうところが他と区別されているのである。

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お菓子も八十吉で畏まっていただく。

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2017/01/14.Sat

冬の庭 (九谷色絵雀文鉢)

洗濯をしながら・・・普通ならお掃除でもするものであろうが、
美味しいお茶をいれて朝からブログを書く三毛庵である。

この冬いちばんの寒波到来で、日本海側は大雪の様子であるが、
太平洋側は澄み渡る冬晴れである。
まだまだ「もどき」なお庭であるが、ブログを書き乍ら窓の外を眺めると
白青い幹のアオダモの前、コハウチワカエデの新枝が紅くて綺麗である。
選んだ樹の配置は、庭屋さんにお任せしたのだが、
日当たりの加減や家の窓からの眺めなどを考えて決めてくれた。
樹のことを十二分に知り尽くした、惚れ惚れするプロのお仕事である。

先日、庭を見回っていたところ、義父の遺したしょぼいしだれ梅の短枝に
イナゴが刺さっていてびっくりした。
百舌の早贄である。
今朝も見に行ったがそのままで、百舌は食べにくる様子はない。
葉の落ちる冬は鳥の様子も見やすく、また2月には恋の季節となり
活動も益々活発で、それはひとつの愉しみである。
チビ庭でも小鳥が来てくれるようになるとよいのだけれども。

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(径:約24cm)

菊が描いてあるので季節は秋なのだろうけれども、
こんな冬晴れの日に似つかわしい雀のをのんちゃんが手に入れた。
(近ごろ三毛庵ものんちゃんも、大きいふるものに対する警戒心が薄れていて
困ったことである。先日ものんちゃんが大ものをゲットし、焦る三毛庵である。
決して収納が潤沢になった訳でもないのだが、あれは収納できるのであろうか。。
でも、そういうものをその辺にころがして、眺めるともなく眺めるのはなかなかに愉しい。)

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こんな愛らしく装飾されていると、
昔の人も雀との暮らしを愉しんだのだなぁ・・・と思うのである。

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人も小鳥もつがいは仲睦ましく・・・というような図柄だ。

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裏のチビチビ庭(正:植栽枡)にひっそり植えた有楽が開花した。
やっぱり有楽にしてよかったな。
侘助というのも好いし、色が他にない、仄かな青みのピンクというのも好い。
ミニマムに華やかである。

(庭の記録↓)
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