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2017/11/05.Sun

末裔考 (織部法螺貝文行燈皿)

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あまりに小綺麗なせいか、目を留める人はいないようであった。
という訳で、気安く分けていただいたのであるが、
どうもいろいろと気になっていたのである。
時代の若いヤツってこんなに丁寧な絵付けじゃないものだけどなー、
というのが最初に引っかかったところで、しかも法螺貝という珍しい文様である。
法螺貝文は石の珍品にあるもので、ならば行燈にあってもおかしくはない。
だけど、そのような珍しい文様が幕末明治にはあるものであろうか?
(珍品風の贋作にしては嘘がないと思うし・・・。)
気になりポイントはほかにもたくさんあった。
・織部釉の発色がよく、また刷毛塗りでない。
・灰釉ではなく長石釉、、だと思う(たぶん)。
・印花は美濃の伝統的手法であり、しかも織部伝統の幾何学文である。
・絵付けが生きていて、法螺貝に付いた紐の描きっぷりがよい。

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うーん、これって結構時代が上がるんじゃないかな?行燈って殆ど知らんけど。
行燈はほぼほぼ瀬戸の産らしいのだけれども、
これって様式は完全に美濃の織部だよなぁ、、それに・・・。

何よりも気になったのが、法螺貝が普通の鉄釉色と
もうひとつ、オレンジがかった薄い茶色で描かれていて、これ記憶にある。。
こういう色って弥七田織部の特徴ではないかしらん。

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そう思って色々調べていたら、前に弥七田にそっくり、と言っていた皿@
本当に江戸前期の織部、弥七田であるらしいことが分かってちょっと笑った。
(三毛庵のことであるのでそう言われて買ったりなんかしていないですからね。)
さすが三毛庵、バッタもんふうの織部に強い!(笑)

そういえば、この法螺貝の尻尾のところ、小さく掻き落としされていて、
これも織部にはよくある手法である。

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まぁ見てくれはただの行灯皿なんだけれど、だけど面白いなぁ・・・って思う。
だって、弥七田の末裔は終いはこういうものを作ったんだなぁ、って思えるもの。
そんなこと言ったら学者の方には鼻で笑われるかもしれないけれど。。
でも三毛庵はこのお皿を保護してよかったな、って思うよ。
このお皿とこれを作った人のこと、すこし分かってあげられてよかったなと思うよ。

織部といえば秦秀雄さん旧蔵で今はおそらく勝見充男さん所蔵の
蕨文?織部大皿、ああいうのを趣味が良いって言うんだろうなぁ、って思う。
このような愛嬌のあるやつは、まぁ趣味が良いとは言わんやろけど、
でも三毛庵には向きであるかなと思ふ。

そういえば、あまり行灯皿の知識がないので色々調べていて、
こちらの本に、双子のお皿が載っているのに気付いた。

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色味や手法(釉薬の色や掻き落とし)までそっくりで、同じ人の手になると思う。
サイズもほぼ同じなのだけれど、残念なのはこの図録には時代考証がないところ。
高台を見て江戸後期かな~って最初は思っていたんだけれど、
絵付けの丁寧さや手法を考えると中期まで遡ってもいいんじゃないかとも思う。

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相変わらず妄想の激しい三毛庵であるので、お詳しい方いらっしゃいましたら
誤りを正してくださいね~♪
ふふ、でも知らないものを買うのって楽しいなぁ!

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連休は久しぶりに遠出をして、高山の朝市をぶらぶらした。
朝市といえばお決まりの漬物を買ったり、りんご(なつかしい紅玉)を買ったり。
ついつい椿まで買ってしまった、銀葉椿とある。
椿は時々衝動的に欲しくなるのであるが、何といっても木であるので、
自制していたのに、旅というのもあって浮かれてしまった。
シルバーリーフで細葉っていうところについつい・・・。

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小さい苗だけど、つぼみもついていて楽しみである。
調べてみると矮性らしいので巨大化は免れそうだし、
一重の開き気味のノーマルな花の画像を見る限り、割と好みな気がする。
(衝動買いしてお好みでない花が咲いたらしょんぼりですからね。)
それに寒咲っぽいので花のない時期にうれしい♪
あー楽しみだなぁ。。

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今日は近所で集まって柿を採った。
干し柿にするのにみんなで分ける。
三毛庵はあまり柿を食べないので、実家にどっさり送って、
残りをちょっとだけ吊るしてみたけど、上手くできるとよいです。
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ものたち | Comments(0)
2016/03/18.Fri

万が一にも (織部羽根突文油皿)

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油皿を買った。
無駄に長い骨董生活の中で初めてのお買いものである。
骨董とか民芸の世界では1ジャンルを築くものであるので
今まで出会いがなかったのも不思議であるが。。

白洲正子さんの四角い菊文の織部、あんなんが世に転がっていれば
飛びつくであろうが、そのようなことなどある訳もなく今日に至る。
とはいえ、ぱくっと食いついちゃったのねぇ、、これには。
見たところ油染みでジミィな様子だけれど(油臭はない)、
何故か目が離せなくなるよな存在感を放ってた。
でも一級品ばかりに囲まれて、ほかに目を留める人はいないようだ。

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ところで、白洲正子さんの油皿、あれって小さいものだった。
改めてみると16.2cm四方、江戸後期のいわゆる瀬戸の行燈皿よりずっと小さい。
すごく大きく見えるのはのびのびとした絵付けのせいかな。
この油皿も13.7cmと小さいのは、時代のせいであろうか。
三毛庵が白洲さんの油皿を持っても背伸びというものだが、
この縁起よしなお皿は、こっそりと可愛く、身の丈に合う気がするのである。
(実のところ入手にはそれなりの背伸びをしたのであるが(笑))
羽根つきの歴史は室町まで遡るそうである。
さっと描いているようで切れ味よい絵付け、こういうのんは時代の空気と思ふ。
三毛庵的にはこれも「万が一」なものだと思っているのだが。。

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ボロっちいけどめちゃ美味しそうな裏も激写してみた。
ナデナデするとしっとりとしてすっかり満たされる三毛庵である。
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ものたち | Comments(0)
2014/01/08.Wed

胆力ないです (絵志野向付)

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時折り登場しておりまするが、三毛庵家でおごそかに苺をいただくとき、
勿体ぶりながら取り出す向付。(三毛庵やるときはやるのです。)
こういう向付は何となく敷居が高かったのだけれど、
文様が伸びやかで、何とも美味しそうなお色味だったのでついふらふらと・・・。
それでもフツー手に入らないんだけれどね、あるんだなぁ・・・手に入る時が。
とはいえ胆の据わらない三毛庵は、あーこんなん持っちゃって、と
しばらく見る勇気がないぐらい胆力使い果たしたのでした。。
人間がちっさいとね、こういうのんをがらくたを見る目と同じ目で愛するのは大変なのです(笑)
でも今は、苺のためにこれがあってよかったなぁと思うのである。

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(一辺16cm)

お暇に飽かして、せっかくなのでこれで長石釉など眺めてみた♪
志野は長石単昧ですからね、参考資料としては上々なのです。
という訳で、先日の怪しげなる織部やら先々日の愛らしい絵瀬戸を並べると、
怪しげなる織部はやっぱり志野と絵瀬戸のあいだぐらいのビミョーな位置に存在するようである。
面白いのは、高台のお団子の目跡なんかはこの志野と怪しげ織部は同じ処理というところ。
(高台は絵志野のほうは三つ足だけれど。)
お暇があると、こういうことをああでもないこうでもないと妄想できるのがよいなぁ♪
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ものたち | Comments(9)
2014/01/03.Fri

妄想バクハツ (織部槍梅文菊形皿) 

新年を迎えると、僅かだけれど陽射しに力が戻ってくる。
寒咲き水仙が咲き、寒はいよいよ本番だけれど、
梅の蕾がほころぶ頃まで、日一日と強くなる陽射しを確かめつつ。。

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さて、土ものの絵皿があるとついつい吸い寄せられる三毛庵。
あ、槍梅♪と手に取ったのは、少しばかりうらぶれ気味の骨董市であった。

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ん~見たことあるなぁ、この柄。・・・なぁんていうのを買っていいのか?
後で調べたら可児市にある弥七田織部の梅文のお皿に、似・て・い・る(笑)
おじさん曰く、明治ぐらいの黄瀬戸のお皿、ということなのであった。
絵瀬戸かな?と思うぐらい灰釉っぽい黄色めの上がりであるので、
織部釉が黄瀬戸の胆礬(たんぱん)に見えるからだろう。
デザインは弥七田風だけどなぁ、と思いつつ、細かいことは気にしないのであった。

さてさてそれで、またまた怪しげなる織部を手に入れているワタクシ、
なんだか織部は毎度バッタもん専門みたいでスイマセン。。
バッタもんが好きなのではなくって、バッタもんっぽい織部が好きなのです。
(これは同じようでいて違うことなのである。)
一応マジメなものと見て買ってみましたよん♪
灰釉がちではあるけれど、よく見ると長石釉も混じっているようなので、
絵瀬戸とかいうよりは是非とも織部の末裔って言いたいのだよなぁ。
先日の絵瀬戸と見比べると同じようで違う。)

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(21cm)

実のところ、欲しくなったのはこの裏行きを見たからなのだ。
うーむ、美味しそう♪ナデナデしたくなるお肌であるぞ。
高台の畳付きにもみっちり釉薬が掛かっていて、これはOKなのか???
と思ったけれど、調べてみると目跡(って言っていいのかな、お団子の跡みたいの。)
も含めて造りとしては間違いではないようである。
面がつるんと可愛く威厳がないので見過ごしがちであるけれど、
この裏行きはなかなかに強者ではなかろうか。
明治ではこれは作れない気がする。。
(とまあ、またまた三毛庵的妄想バクハツに、呆れられることこの上なく。)

なんであれ、土のこのお皿が傷もなく今手元にあるのが嬉しいことである。

オマケ↓・・・やっと「皇室の名品」展に行ってきた!
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ものたち | Comments(0)
2013/09/16.Mon

フシギちゃん (織部油壺)

いつも臆面もなく小間物をアップしているかのような私であるが、
好きなもののことは書いておきたい気持ちとは裏腹に、
誰にも見せず、じぶんだけの秘密に取っておきたい気持ちもあって、
手に入れても暫くぼんやり横目で眺めて過ごしていることも多い。
増してや出目不明のものなど猶更である。
人目に晒すのは罪深いような気がする反面、できることなら
賛同してくれる人がいればものも浮かばれるかななどとも思うのである。

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催事の片隅で、不思議なる小壺を見かけた。油壺のようである。
「へぇ、こんな可愛く織部を作る人もあるのかなぁ。」と思ったのは、
口作りがぽてっとしていて、本歌の織部ならもっとこう、薄作りな感じが
したのと、まぁなんというのか、雑多な中に混じって置かれていたからである。
織部だと思ったのは、様式が赤織部だったし、ひと目みて可愛いなと
思った沢潟(オモダカ)の文様のせいである。(実は聞くと外国の壺と言われた。)
でもよく考えると、赤織部っぽいけれど緑釉を垂らし掛けしていて、
ならば鳴海織部に近しいような気がするし、随分と約束通りではない。
沢潟の文様をこんなに可愛くアレンジして、こういう風に織部を解釈できる
人ってどんな人だろう?と思いながら手に取って、あれっ?っと思ったのは・・・

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フシギなることに、高台にずいぶんと古格があるのである。
汚しているのか?とおもって、まじまじと見たけれど、
汚れもおおよそ経年変化であるようだし、汚れを取ったとしても
こんな高台は今の時代にはゼッタイ削れない。

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(さらにアップ!)
スピード感があって、見た目の可愛さとは裏腹に、なかなかに厳しい高台である。

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(直径7.5cm/高さ6cm)

さて、そうなるとこれはいったい何なのかしら?
油壺がやきもので作られていたのは明治・大正あたりまでらしいけれど、
これはもっと時代があるように見える。。。
そうなると江戸時代ということになるのだけど、あまり瀬戸には見えない。
どちらかと言われたら美濃になるんじゃなかろうか。
でも、美濃古窯から荒川豊蔵が志野陶片を発見したのは昭和5年とあり、
それ以前に美濃で本歌の織部の写しものが作られているというのは考えにくい。
じゃあやっぱり復興織部?ん~でも瀬戸には見えないんだよなぁ。。
結局のところ思うのは、これは終いの織部ではないのかな、ということ。
美濃の織部を焼いた窯がいつ途絶えたのか、諸説あるようだけれど、
桃山のアバンギャルドな織部は、時代が下がると生活雑器に近くなっていく。
窯ヶ根窯のものなど、ちょっと愛嬌があっておおらかで微笑ましい。
このおおらかな沢潟文はそういう感じに通じるものがあるんだよなぁ・・・。
とまぁ、妄想はまたまたどんどん拡がってゆくのであった。

いつもへんてこなものばかり目をつけて、勝手な妄想を繰り広げているけれど、
結局のところ、こいつのカワイサになんとか出目を明かしたかったからだ。
さらにフシギなのは、こんなに時代色がついているというのに、中は
油壺として使われた様子が全くないことで、覗くと綺麗な陶土が見えている。
どうしても近頃のものには見えないというのに、ならばどうして
伝世したのか、暫く手元で眺めながらぼんやり夢見ているのである。




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