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2020/04/03.Fri

「美意識」を鍛えろ! (こびとのお皿)

自分のなかで、うつくしいと感じる絵、佳い絵とはどのようなものであるかを
暫く考えていて、なので時折ヒントになりそうな本を手に取ってみる。

この度は、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?-経営におけるアートとサイエンス-』
(山口周著、光文社新書)なるものを読んでみた。2年ほど前の出版だ。
実をいうとまぁ、ついにビジネスにアートを持ち込んだか、というゴシップ記事でも
読むような、ひやかしであったのであるが、なかなか分かりやすく面白く、ためになる本だった。
ビジネス書ではなく、生き方の書といえばよいであろうか。(と三毛庵は思うのであるが。。)
個人的にはお子さんをもつ親御さんに読んでいただければな、と思う。
と書くと、まるで子供に芸術の英才教育をしろ、と言っていると勘違いされても困るのだが、
ユダヤ人虐殺をただ命令に従って実行しただけだと言ったアイヒマンに関して、
「悪とはシステムを無批判に受け入れること」という、哲学者ハンナ・アーレントの言葉が紹介されていた。
そして、「悪」とは陳腐なもの」なのだそうである、戦慄。。
そのような「悪」に陥らないためには、自分の軸をしっかり持つことが重要で、
「美意識」を鍛えるということは、その一つの面である、というようなことである。

疫病が蔓延し、次には経済の崩壊、あるいは紛争へと進みかねない時代の中、
美意識などに関わっていられるか、という状況にも見えるが、
金次第の時代ももう終わりで、信じられる確固としたものだけが自分を支えてゆくことになる
というのがほんとうなのかもしれない。

それで、私にとっての絵は・・・というと、暗い足元を照らしてくれる、小さな灯りであると思ふ。
佳い絵は、佳い本を読むのと同じく、私にとってのせんせいなのである。

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戦前と思しき、こびとのお皿、どこぞのキャラクターのパクリであろうか(笑)。

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パクリは「悪」であろうか?今の時代に照らし合わせれば、そうなのかもしれないが。。
でもこの姿にはオリジナリティーがあるように思う。
「美」というのは、「正義」というのともちょっと違うと思う、説明はむつかしいが、、
「正義」を振りかざした「悪」なんて、陳腐なほどにたくさんあるしね。

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四月の水仙はやっぱり『タリア』。
美しいということに説明は要らぬ由。
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絵のこと | Comments(0)
2020/02/29.Sat

早咲の椿 (古道具の踏み台と北窯の抱瓶)

今年の椿は、早咲きは遅く、遅咲きは早い印象。
近年の桜の開花が大阪より東京のほうが早いのと同じ理屈で、
寒さに当たる期間が一定以上ないと開花しにくい、ということだろうか。

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いつもは2月に入ると咲き始め、ゆっくり咲いてゆく『月光(がっこう)』がようやく咲く。
読谷山の北窯、松田米司窯の抱瓶に入れる。
(北窯は4人の親方の窯からなる共同窯だ。)
花台は古道具の踏み台だが、ぼろっちさが却って花を引き立てる。

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この抱瓶をみたとき、あー赤い椿入れたいな、って思った。
この抱瓶に入る泡盛を飲み切る自信はないのであるが、椿をいれてみたかったのん。
でもきっと、夏場にねこじゃらしなど道端の草を入れても合う気がする。

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先日の徳利@の松田共司さんと松田米司さんは双子のご兄弟で、
それぞれ作風に個性があり、米司さんはこのような穏やかなものが多いように思う。
(共司さんのダイナミックな絵付けの抱瓶にも花を入れてみたい。。)
こうしてみると、器だけでも素晴らしく絵になるのであるが、
ちゃんと花を入れる余地があるところが心憎いところだ。
こういうことって単純にはできないし、狙ってもできることじゃないよなぁ。。

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それにしても『月光(卜伴ともいう)』は、慎ましいのに華もあり、古花というのはそれだけの理由があるものだ。

去年地植えにしたのであまり蕾が付かなかった、『月照』もようやく咲く。
花も葉っぱも端整な品種なので、やはり古典的な花入に合う気がする。

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花入っていうのは素晴らしい発明だなー、千利休って本当に凄い人だ。
400年、皆竹に花を入れている。

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『月照』の花は完全なる引き算の美であるので、却ってほころんだぐらいがちょうどよいのかもしれぬ。
開ききったら美し過ぎてシンパイであるが、でも開いてゆくのが楽しみである。
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ものたち | Comments(0)
2020/02/11.Tue

ばらと戦い店と戦う (伝・芹沢銈介の版画)

今日はようやく時間もあり、元気もある休日だった。
なのでせっせとつるばらの剪定をする。
ばらの剪定ってきっと植物に関心のない人には大変な作業に思えるだろうなー。
いや、実際途方に暮れるほど巨大化してトゲトゲのやつは大変なんだけど、
でも楽しいんだなーこれが。(まぁ体調さえよければ、なのだが。)
もうちょっと時間があれば、もっとセンス良く誘引するのに!とか思いつつ、
トゲトゲと終日戦ったのである。

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小さな版画、芹沢銈介なのだという。
特に異論はなかったし、書見台というデザインがよかったのでいただくことにした。
(ついていた資料らしきコピーには『書物』とあった。)

せっかくなので額装することにし、近所の額縁屋さんに行く。
値段が安く、あんがい種類も多いので、けっこう気に入っているお店なのだが、
問題は、その日額縁とマットの合わせ方、というか、、話の分かる店員さんがいるかなのである。

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この日は、これは何の図柄かと聞かれ、乱雑な扱いに冷や冷やし、
某大御所の若書きの色紙を手書きですか?と言われ・・・と、
まぁ散々な目には遭ったのであるが、幸いにして納得できるマットは出してくれた。
日ごろ骨董市でものを買っていると、売り手もプロフェッショナルだし、
こちらもいくらなら買うか算段するので、売り買いは真剣勝負である。
だからたまに普通のお店でこんな目に遭うと、きぃーっとなったりする三毛庵である。
関西では、服装などには惑わされず、しっかり相手を見て商売している人が多く、
そんなに理不尽な目に遭うことはないんだけどなー。
まぁとにかく、話の通じないお店が嫌いな三毛庵なのであった。。

版画が朱色の和紙に貼ってあったので、金色の額縁にして、
文明開化っぽくしてみたけどどうかなー。
三毛庵に小金があったら、軸装にもチャレンジしてみたいぐらいだ。
なかなかむつかしそうだし、これまた真にプロフェッショナルな職人さんって少なそうだけどね。
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ものたち | Comments(0)
2020/02/08.Sat

陰影礼賛 (昭和のテーブルランプ)

そういえば、ちょっとのことでバッテリー切れを起こすのは子供のころからで、
病弱というほどの大病などしてはいないが、寝込むことはよくあったのだ。
熱が下がって意欲は湧いても体力が足らず、仕方なしにベッドでできることをする。
あぁ、三つ子の魂だなぁ、今もそのまんまだ。
目を悪くすると怒られつつ、デスクライトをつけて本を読む。
ふと見まわすと、ライトの明かりを中心に部屋のいろいろの陰影が私を取り囲んでいる。
あのとき世界と私は調和した。
ただ、そのことをしんから思い出すことは、今はほとんど不可能だ。
時折僅かにその入り口の気配がするけれども。

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そんなわけで、このようなものを市で見つけて浮かれる三毛庵。
あぁ、あのころよりずっと昔の陰影。
このような陰影をぼんやり眺めて彷徨う時間、私を作った遠い時間。

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ライトグリーンの布のシェードにダークグリーンの轆轤引きの木の台座。
緑とは魔法の色。

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真っ暗な部屋で子球だけつけても、それはそれは魅入られるのだ。

あのころの魔法を何かに役立てることもできないまま時が過ぎて、
願わくば、ほんの僅か、その入り口の香りに誘われる大人でありたいと思うけれど。


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おまけ、早春の苺を味わう贅沢。
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ものたち | Comments(0)
2020/02/01.Sat

ワールドくまちゃん2 (昭和の立ち熊ぬいぐるみ)

1月はちょっと無理をしたこともあり、すっかり余力をなくしている。
先週庭を見ていると、ヒヨドリがつがいでやってきて、あぁ小鳥の春になったのだと思う。
小鳥の邪魔をしないうちに庭仕事を済ませたいのであるが、どうにも動けない。
といって意欲だけはあるので、少し剪定をしたり、部屋の絵をかけ替えたり、
これぐらいはできるかな、ということを探してはごそごそする。

昔鬱だったころに意欲も希望も楽しみも感じられないということを
生きていないも同然だと思って以来、したいことはできるときにするのであるが、
意欲が戻った分、体力がついてこないというのはまぁ世の中そう都合よくはゆかないのであろう。
だけど、それでもいいけどね、希望はあるんだから。

私、ちょこっと目を傷めてしまいまして、、幸い当面は大きな支障はなさそうと分かったものの、
一日は、この先を思ってどうしたものやらとさすがに思い悩んだ。
けれど先のことを考える想像力には限界があるのか、次の日には今のうちに何をしようか、
そればっかり考えていたという(笑)。
悪いことは起こったら考えればいいや、それよか今のうちにあれを見ておきたいなー、、
とかほんまにあほやな。そんなんだから余力も使い果たすのだと言われたけれど。
(生きているうちにフェルメールを全部見る、みたいな大それたことぢゃないですよ、私の望みは。)
まぁでも自分の体も自然からの預かりもの、大事に使えということなのだろう。

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去年、アンティークフェアでのんちゃんが見つけたくまちゃん。

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左のワールドくまちゃん@のお友達だったので欲しかったけど、
目のあるものが滅びてゆくのはちょっと切なくていつも躊躇うのだ。
でも、帰りしなにもいちど見ると誰にも連れ帰ってもらえずにいて、
それならうちで、と結局連れ帰った。
くまちゃん2はすこしどすっとしているね。

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ものたちはいつかは滅びてしまうけれど、かつてこれを作った人、
これを大切にいとおしんだ人たちの記憶を留めて今も生きている。
私はいつか誰からも忘れ去られるであろうひとり故、そのことを忘れずにいたいから。
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ものたち | Comments(2)
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