2017/10/07.Sat

「一汁一菜でよいという提案」(土井善晴著)

少し計り、緊張を強いられていた仕事が山を越え、
疲れが出た昨夜は、残り物のおかずを摘んで済ませた。
ゆっくり寝て回復を、と思ったけれど疲れすぎていたのか目が覚める。

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思い立って夜中というのにごそごそと薄めのお味噌汁を作る。
残っていた茄子を切り、玉子を落とし、青ネギを散らす。
出汁に使った小さめに切った昆布と煮干しもそのままいただく。
お味噌と出汁の滋養が染み渡る心地。
お椀は山中温泉で旅の記念に買った山中塗。
溜塗にのんちゃんのは黒、三毛庵のは朱の見込みである。

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先日の片づけで久しぶりにご対面の徳利
瀬戸として買ったものだが、京焼の茶筌徳利にも似ている。
(ほんとうはもう少し黄味のある色なのだが、上手く撮れない。)

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雀が描いてあるところがお気に入りだが・・・

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案山子と鳴子が表にはあって、実りの季節のものであることが分かる。
この時期、里のほうへドライブに行くと
文字通り黄金色の田んぼが拡がり、豊かでありがたい気持ちになる。
三毛庵の仕事が果たして世のためになっているかは知らねども、
世の仕事が回りまわってお米の収穫に繋がっていることを望む。

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決して読書家とはいえない三毛庵であるが、近ごろ読んだ
料理家の土井善晴さんの「一汁一菜でよい提案」という本、
これがとてもこころに沁みた。
(手に取って触れた感じ、目に映る色や質感も美しい本だ。)
派手ではないけれど質の良い器に盛られたふだんの食事の写真、
お膳を整えるお盆なんかの写真があって、
いやしい三毛庵は「ふだんの食事の料理本かな?」と思ったのであるが。

巷にはハウツーものの本があふれていて、いやそれ以外にも
暮らしを整えることの本もあふれていて、
忙しい今の時代の人は、これではいけない、
そう思うことがいかに多いのだろうかと想像させられるのであるが、
そういう人たちの善くあろうとして却ってそれがストレスとなっている事実に、
この本は小さな提案をし、何も無理をする必要はないのだと言っている。
一膳の御飯と一杯のお味噌汁に香の物でよいのだと、
おいしくできる日もあればそうでない日もあって、それでよいのだと。
ハウツーものはあまり得意ではなく、暮らしの本を眺めるのは好きだけれど、
こういうものを使ったらよかった、あるいはものを減らせばここちよい、
というような情報にあまりに踊らされるのも楽しくない三毛庵であるが、
この本はそういうものではない。
土井さんという方は、食べるということを通して、生き方そのものを
常に問い続けている方なのだと思う。
この本には文化というのはどういうことかが易しく書かれている。
あるいは生きるための哲学である。
あるいは信仰にも似たものである。
どうも力不足でこの感銘をお伝えすることができないのであるが、
ちょっと色々のことに自信がなくなったり、
善く生きようとしていろんな強迫観念がついて回って不安になったり、
そういう人はこの本にほっとし、励まされるのではないかと思う。
まぁでも、人それぞれ本にも出会いがあるから、
ほかの人が今この本を必要としているかといえばわからない。
ただ三毛庵は、時折この本のページをめくって、
ところどころを読むだけで、今日も無事に過ごせたことをありがたく思い、
明日も善き日となることを祈るのである。
自分のため、人のためにケの食事を日々作ること、
普通の人にとって、それが生きることであり、祈ることなのだ。

・・・因みにキッチンにオールドのバルーチを敷いちゃった三毛庵は、
自分にとって「食事を作る」という大切な場だから
美しいバルーチを敷いて良かったな、この本を読んで、そう思ったのであった。
(もちろん時折洋服用のブラシでブラッシングして、大切にしている。)
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2017/07/15.Sat

夏祭りのころ (織部梅文香合)

昨日の夕方、街路樹の幹をよじ登っていく蝉の幼虫を見た。
今朝には蝉となって、鳴き始めているであろうか。
夏も本番である。
今年の祇園祭は日照りのようだ。天神祭りもさぞかし暑くなるであろう。

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可愛い織部(瀬戸織部かな?)の香合を手に入れた。
新しくはないが時代のあるものでもないだろう。
(・・・というお値段だからして。)
まぁ、高くても安くてもよいのである、好きならば。
織部にはこのような梅文が描かれることが多いけれど、
何かいわれのあることなのだろうか?
そういえば、三毛庵の持っている絵瀬戸のお皿@は道真公の図柄だったな。
うーん、一度調べて見ねばなるまい。

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(一辺4cm 高さ3cm)

ちびっこだけど、織部釉もたれっとしていてナイスである。
小さくて四角いやきものって、キャラメルみたいで美味しそうなのである。

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で、香合って蓋がぱかっと開くのがまたうれしい。

織部というと、なんとなく秋のイメージだけれど、
もうじき天神祭りだからこれを飾っておこうかな♪

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オグラセンノウが咲いた。
春に探したときはもう品切れで、松本センノウを植えたのだけれど、
日陰過ぎたのかそちらはあまり調子がよくない。
そうしたら、いつものホームセンターにオグラセンノウを発見、
植えておいたらするするっと花芽が伸びて、昨日咲いた。

花の色も独特だけれど、しべの色も青くて綺麗だな。
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2017/02/11.Sat

定番について (瀬戸馬の目皿)

王道というか大定番っていうのはむつかしいなと常々思う。
本で見たりして、あぁいいな・・・って思うのであるが、
実物を見たときには、皆がいいというからよく見えるのか、
自分が気に入ったのかが、既視感故か分からなくなるのである。
その上評価も定まっているのでお手頃という訳にはいかない。
そんなこんなで、これまで不思議と買ったことのないもの、
というものがいろいろとあるのである。

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馬の目もそのひとつであった。
鉄絵の絵瀬戸はわりに好きなものだけれど、
馬の目は人生初めてのお買い物である。

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欲しいなと思ったのは、6寸5分と小ぶりで可愛らしく、使い手がありそうだったこと、
その割に馬の目のぐるぐるが勢いのあるりっぱなぐるぐるだったことが理由だろう。
そのようなことが作用してか、先入観もなく眺め、愉しいなぁ♪と思ったのである。
眼というのは見えているようで見えていないものである。

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実においしそうなぐるぐるである。

も美しいものと思いながら、先にあげたようなことが理由か、
これまで手にしたことはなかった。
でもやっぱり、近くに置き、それがどういうものか知りたいな、と、ふと思った。
手に負えるサイズの、相応の立派すぎない柄のもの。
今時々使ってみて、感触を確かめている。

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にしてはちびっこなので、こんなふうに塩焼きそばなんぞ
ガツンと盛って、一人悦に入るのである。
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2015/07/05.Sun

エスケイプ (白磁輪花豆皿)

先週、トーキョーでこんなものを買ってみた。

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ちびこいお皿も、ぬらりとした白磁も好きな三毛庵であるので、
市の隅っこでこのようなものを発見すると、その日一日ちょこっと嬉しい。
上質なものを意を決して買うのももちろん愉しいことだけれど、
こういうものを拾い上げるのは、学校の帰りみちに道草を食うような、
密やかでこころ浮かれるとっておきのじかんである。

オトナになっても、ときを忘れて夢中になることがあるって、よろしい。
いや、もっといえば、始業時にひとりサボって海を眺めに行くような、
ちっちゃく我が道をゆく気分、そういう気分の遠征である。
(皆さん、エスケイプ(って死語?)はひとり派ですか?)

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捻子文の輪花に何故か四角く窪みがあるのがご馳走である。
(四角いチーズなぞ設置したくなる。)
エスケイプはひとり派の三毛庵であるので、
このようなツボも自分ひとりだけのツボであって構わないのであるが、
それでも同じように「やるなぁ、コイツ」などと仰る方がおられると、
なんとなく、あのひともひとりで海行ったりするのかな、
なんてちょびっと気になったりするのである。

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(径8.4cm)
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2015/05/20.Wed

Good luck。 (染付輪線文豆皿)

平素より決してフレンドリーとは言えない三毛庵であるので、
ものを介してのお話しでも、旅先などではなかなか思うように会話できないこともある。
まして観光地の骨董屋さんなど、平素骨董好きとは言えないような
一見の観光客を相手にするので、入っても仏頂面を決め込んでいたりもする。
だけどふとしたきっかけで打ち解けると、いろんなものを見せてくれたり、
いろんなことを教えてくれたりと、思いがけない出会いになる。
商いをしているひとたちも、素顔はなかなかシャイであるのかもしれない。

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(7.9cm)

粋な輪線文の豆皿は、そうしてお土産に・・・といただいたもの。
のんちゃんのお買い物をきっかけに話が盛り上がり、
今日はきみたちに逢えてよかったよ、そんなふうに言ってもらえて、
なんだかよい旅になったなぁ、と思ったのだけれど、
このお皿を眺める度にそんなことがまた思い出される。
のんちゃんの物色の横で、粋なお皿は自分に似合わないだろうかと
考えあぐんでたのを店の主は見ていたらしく、
「それを2枚持って行きなよ。」と三毛庵に向かって言ったのだった。
ひゃあ、私ってまた物欲しげだったのん?と冷や汗をかいたけれど、
一方でそんなふうに言ってもらったのも嬉しくて、ありがたく頂戴した。

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粋過ぎるかなというのは杞憂で、気軽なお酒の友に大活躍!!
旅の思い出をお肴にゴキゲンに一杯やれる素敵なひと皿なのである。

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さて、こちら@で書いた和熊氏であるが、その後三毛庵宅に出戻った。
というと聞こえは悪い、ほんとうのところはKちゃんが
お皿の番熊をさせてあげるのがいいだろうと、遣わしてくれたのだ。
ふだんは書棚のなかで和ガラスのアイスペールやあめや瓶の番をしているが、
新しいお皿がやってくるとこんな風に様子を見に来る和熊氏なのであった。
 
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