FC2ブログ
2019/05/24.Fri

宣造さんに薔薇を (西村宣造の銅版画)

先日の大雨の後、朝早く見回りをすると、花首の折れたばらが、、
マダム・ピエール・ユラー、今年植えたアーリー・ハイブリッド・ティーだ。
細枝に大きな花が俯き加減に咲くところがクラシカルで、
たっぷりある花弁もじっくりちゃんと開き切って、いつまでも綺麗に咲いている、
考えるとオトクな薔薇だが、そんなオトク感など微塵も感じさせない様な、
典雅な薔薇なのである。

こんなに花びらでいっぱいになってもか細い枝で優雅に咲くのね~、
と感激していたが、流石に雨に打たれて一枝折れていたのでいただくことにした。

IMG_4825.jpg

折れたところを庇ってくれる、首の細い掻揚の瓶に。。
一枝で佳い香りが充満する。

IMG_4824.jpg

まだちゃんと額装をしていないのだけど、西村宣造の昔の版画を飾ってみる。
近所の額縁屋さんで素敵な額縁を見つけたのだけれど、
肝心の中身が決まらずにいた。
西村宣造の粋な版画が後からやってきて、こんな感じにしたかったかなと思う。
宣造さん、粋だな~。

薔薇はどちらかと言えば野趣のある庭向きのものがよいのだが、
薔薇という「文化」には関心があって、なので今年はアーリーモダンもひとつ、
と思ってこの花を求めたのだ。

IMG_4694.jpg

咲き始めはハイブリッド・ティーらしい花形で。

IMG_4726.jpg

か細い枝にも蕾がついて、俯き加減で開き始め、

IMG_4759.jpg

重たげに、でも止むことなく開いてゆくのである。

IMG_4782.jpg

こんな風に中心部が珠のようであったり(バラ色のキャベツ!)、

IMG_4783.jpg

最後にはこぼれんばかりのロゼット咲となる、そしていつまでも咲き、
いつまでも香っている。
こんなに花弁が多くては、蜂も蝶も近づけまいと思うのだが、
一体だれに対して香っているのだろう。

薔薇を育てられる世であることを倖せにおもう時。
スポンサーサイト



 ◆にほんブログ村に参加しています!お気に召しましたらポチッとお願いします♪
 にほんブログ村 美術ブログ 古美術・骨董へ にほんブログ村 美術ブログ 絵画へ    
ものたち | Comments(0)
2017/12/31.Sun

祈りを込めて (銅版画 小さな菩薩像)

静かに過ぎようとする2017年、
佳いこともあったし、気を揉んで過ごしたこともあった。
でも、こうして静かに振り返ることができて何よりだ。
若いころは陳腐だと思っていたような平穏な日々というもの、
そんなに簡単なことじゃないのだと、だんだんに思う。
1年過ぎるのが早くなるばかりであるけれども、
それでも過ぎ去った一瞬一瞬のことを思い出したりする。

IMG_3187.jpg

市から連れ帰った小さな迷子の菩薩。

IMG_3191.jpg

幼い顔をして、

IMG_3189.jpg

一心に祈っている。

IMG_3184.jpg
(マットの窓のサイズ 5 × 9cm)

ぼろぼろであったので、綺麗な額装にして、
お線香を上げた。

IMG_3180.jpg

三河雲竜椿の蕾が膨らんだので、お正月に咲いてほしいなと、
部屋に入れてお水をしっかりあげたら咲いてきた。

IMG_3182.jpg

お正月の切り花の代わりに飾ることに。。
枝がくねくね曲がっているのでちょっと盆栽っぽいところがいい感じ♪

IMG_3193.jpg

毎年決まったものを作るぐらいだけれど、今日はおせちを作る。
黒豆とごまめは外せない。

IMG_3192.jpg

これも必ず作る、煮しめ(辰巳芳子さんの本から)。
姪っ子が綺麗に重箱に詰めてくれた。
豪華なおせちもよいけれど、
普通のおせちを今年も作り、食べる倖せ。
作ることは祈ることで、食べることは生きることだ。

どうぞ来年もよい年でありますように。
 ◆にほんブログ村に参加しています!お気に召しましたらポチッとお願いします♪
 にほんブログ村 美術ブログ 古美術・骨董へ にほんブログ村 美術ブログ 絵画へ    
ものたち | Comments(0)
2017/01/15.Sun

モンちゃん (四谷シモン?銅版画)

モンちゃんは、知り合いの骨董屋さんの床に無造作に置かれていた。

IMG_1825.jpg

目力に圧されて、拾い上げると「Y.Simon」のサイン。
思い当たるといえば、人形作家の四谷シモンであるが、
澁澤龍彦を通じてその名前に辿り着いたような具合であったので、
そのときは銅版画もしていたかどうかは分からず、
留守番をしていた奥様も何もわからないということであった。
骨董屋さんの品物に埋もれて場違い感満載のモンちゃんであったが、
後ろ髪を引かれる様な気がして、連れ帰ることにした。
(あとでご主人に聞いてみると、仕入れたばかりで
調べようと思って置いていたところ、私がかっさらってしまったらしい。)

IMG_1827.jpg

作家は四谷シモンである、ということにして考えると、モンちゃんはお人形だ。
(氏にあやかって、モンちゃんと呼んでいる。)
しかも生首である!?いや、胴体を描いてないだけか。。
・・・見方によっては結構コワい。

IMG_1828.jpg

三毛庵思うに、ぬいぐるみというのは生き物らしく作られてもいないが、
動物の可愛いところが凝縮されていて、血の通った可愛らしさがある。
一方で、お人形というのはなかなか人間という生き物をよく写しているものだが、
それだけに、凍りついた屍体に近しいような、生々しさがある。
(屍体に生々しいという表現もヘンだが、そういう奇妙な存在感がある気がする。)
澁澤龍彦の部屋の写真にも、そういう四谷シモンのお人形があった。

お人形を描いたと思しきモンちゃんは、間近で見るとそのような
生きてはいないものの匂いがする。

でも、モンちゃんは不思議なのである。
部屋に置いてぼーっと遠目に眺めていると、とても人間っぽい。
やんちゃな生娘が顔を覗かせているようだ。
そして、骨董屋さんで異彩を放っていたモンちゃんは、
三毛庵宅のお部屋では、結構居心地良さげにしているのだから
やっぱり不思議なのである。

※額の裏に所載の本がある旨が書いてありました。
 モンちゃんが載っている本をご存知の方がいらっしゃいましたら、
 教えていただけると幸いです♪

IMG_1838.jpg
今朝方、西方の十六夜の月。まだ時折舞う雪に霞む。

IMG_1839.jpg
昨日宵の口、薄っすら雪が積もった。今朝方撮影。
(昨年凍らしかけたマユハケオモトは慌てて取り込んだ。)

(備忘録:澁澤龍彦の想ひ出↓)
>>続きを読む
 ◆にほんブログ村に参加しています!お気に召しましたらポチッとお願いします♪
 にほんブログ村 美術ブログ 古美術・骨董へ にほんブログ村 美術ブログ 絵画へ    
絵のこと | Comments(0)
2016/05/26.Thu

おさかなの夢 (西村宣造の小さな銅版画)

ことのほか、堪えた5月である。
昨日も頭痛と吐き気で身動きできなかったが、
それでも、天気が下り坂なだけなのだ
・・・たったそれだけでって、、。

IMG_1201.jpg
(縦:約10cm)

西村宣造先生には生前お会いしたことがあった。
怖くて話しかけられなかったけれど。
余りに嘘などすぐに見抜いてしまいそうな眼をしていたし、
私はそのとき不満に思ったからだった。
不満とは畏れ多いことだが、先生のことなど何も知らないくせに、
そのときはどうしてもナットクがゆかなかったのだ。
(当時の状況にはそういうこともあったのかもしれない。)

だけど今、こうしていると、
人はひとりだ、というようなことを噛みしめている時
隣にひっそり寄り添ってくれるような、そういう哀れが、
このような切れ端にも潜んでいる。
西村宣造という人はそういう人なのだと思う。
 ◆にほんブログ村に参加しています!お気に召しましたらポチッとお願いします♪
 にほんブログ村 美術ブログ 古美術・骨董へ にほんブログ村 美術ブログ 絵画へ    
絵のこと | Comments(0)
2012/04/29.Sun

影を踏む (『走り去るものを見つめるアリス』 林由紀子/エッチング、手彩色)

近ごろ、自分の影がとんと薄くなっているんじゃないかと思うときがある。
(世間にははっきりと濃い影の人がいる・・・というか、そのほうが多そうだ。)
うかうかしていると、体が半分透けて実体が危うくなるんじゃないかという気になってくる。
最近のんちゃんが忙しいこともあり、がまの油みたいにじっと自分を見つめすぎて、
いかに自己というものが危ういものか、うんざりしているせいかもしれない。
自己というのは観察するに値しないものだ。というか、やっかいだ。
壁に中世の白描図を掛ける。
末法の世の人が、眼で実物を見ることの出来ない尊像を無心に筆写したものであるが、
そちらのほうがよほど真実であるように思われてくる。
生身というのは全く頼りない。

そんな具合で四月も過ぎようとし、いつの間にか風薫る五月が近づく。
画像は「走り去るものを見つめるアリス」 (林由紀子 エッチング、手彩色)。
すいかずらやさんざし?の花の冠の薫るアリスである。
彼女もなんだか影は薄いようである。
走り去るのは兎だけではないかもしれない・・・。

blog 8484

シートで手に入れて、市販のマット付きの額縁に入れたのだけど、
気に入っているアリスの服の水色と、マットのクリームイエローがよく調和していて、
この季節に相応しいかなと思っている。

blog 8482

 ◆にほんブログ村に参加しています!お気に召しましたらポチッとお願いします♪
 にほんブログ村 美術ブログ 古美術・骨董へ にほんブログ村 美術ブログ 絵画へ    
絵のこと | Comments(0) | Trackback(0)
 | HOME | Next »