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2019/08/17.Sat

夏休みの記憶 (染付貝藻文猪口)

送り火も過ぎ、お盆が終わった。
故郷に帰られた方も、台風で大変な思いをされなかったであろうか。
楽しい夏休みを過ごされたであろうか。

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そこそこに神経質な子供であったせいか、夏に海へ行っても
姉妹やいとこたちと一緒になって波打ち際で遊ぶのはあまり好まなかった。
代わりに、ひとりで波に洗われて丸く削られたシーグラス(当時はガラス石と呼んでいた)や貝を集めた。
といっても、北の海のことであるので、あまり美しい貝はなく、
大人になって能登の海で桜貝を拾ったり、沖縄の海で色とりどりの貝を拾ったときにはかなりう喜んだものである。。

ある夏、東京から親戚の大学生のおにいさんがやってきて、いつも行く海に連れて行ってもらった。
人見知りの多いわりに、どういうわけかよくなつく相手がたまにいるというのは昔からだったのだ。
確か、その人と私と妹で行ったように思う。
その時も、おそらく私のことだからそれほど波打ち際まで行っていたとは思えないのだが、
突然大波を頭から被り、引き波に足をすくわれそうになった。
波の恐ろしさの最初の記憶、何事もなかったのに怖くて大泣きした。
(おそらく小学校には上がっていたと思うので、すぐ泣き出すような歳ではなかった筈だが。)
そんなわけで親戚の大学生はびしょぬれになって泣く子供を家まで連れ帰る、という
羽目に陥ったのであるが、近ごろふと思い出す子供のころの記憶といえば、怖い思いをした、とか
今も心の隅で後悔をしているとか、そういうことが実に多く、
幼少の、時間が止まったかのような満ち足りた記憶、というのは意識しては思い出せない。
思いがけず庭が美しいときとか、そういう意図しないときに突然押し寄せることはあっても。

この蕎麦猪口は、去年の秋に松本でみつけたものだ。
時代が若いのか、伊万里ではないのか、つるっとした磁器質だが、伸び伸びとして気に入っている。
去年は夏まで忙しくしていて、秋になって自分の暮らし周りを見直して、
ひとつ欲しいものができたので、のんちゃんに連れて行ってもらった帰りに寄ったのだ。
(その日は気圧の関係でへろへろになっていたが、松本についてようやく息を吹き返した記憶がある。。)
年に一度も行かないであろう骨董屋さんで見つけたのだが、
そこの大将は私たちのことを覚えていてくれたようで、いろんなものを見せてくれたり、
話をしてくれたりで、そんなにはゆっくりとはしていられない私たちはひやひやしたものだ。
だけど旅先の骨董屋さんでお宝探しをする楽しさというのは、どちらかといえば
みつけたものに、その時の楽しい思い出が香りのように残るというところにあって、
今でもこれを見る度に、一見では仏頂面でいる店主が人懐っこくあれこれ話してくれたあの日を思い出すのだ。

いいトシになってくると思い出というのは尽きないものである。
トシとるとどうして思い出話が増えるのかなー、ってよく思っていたけど。。
なにか美しいと思うものって、きっと人は反芻するのだろうな。
でも、過去を思うのと同じように、今もひとつひとつのこと、一瞬一瞬を大事に思う。

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こんな見込・・・瀬戸か美濃の産?

さて、いつものごとくブログをさぼっているあいだ、
寝て起きて、ご飯を作って食べて、庭で水遣りをし、金魚に餌を遣る日々。
どれもそうおろそかには出来ないので、意外と忙しいのである。

猛暑の8月に入る前、7月は土日の天候が安定せず、
梅の土用干しはいつもより2週間ほど遅れた。

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気を揉んだが、今年の梅は上々の仕上がりで、殆どがふわっふわの仕上がりだ。
少し硬いかな、というようなのは3粒だけ、梅自体の出来の良い年だったのだろうか。

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可愛いホーローの容器にも詰めてご満悦なのであった。
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ものたち | Comments(0)
2019/05/21.Tue

梅雨の前に (伊万里龍文染付飯茶碗)

まとまった雨が来るようだったので、週末は忙しく花ガラ摘み。
早くに咲いたガリカローズの花びらが散らばっている様子も好きだけど、
そろそろ綺麗にしないとね、梅雨が近い。

うすいえんどうも収穫することにする。
遅すぎる頃につるばらのすきまに植えて放置したので、
笑っちゃうほどの収量で、「一合ぐらいは炊けるだろう」と
のんちゃんと言っていた豆ごはん(小エビ入)へと変身を遂げる。

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笑っちゃう収量でも採れたてのお味は最高!
はっきり言って、外食いらないぐらい美味しいぞ(自画自賛)。

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無駄にお茶碗の多い三毛庵であるが、外食したつもりで買えばよいのです。
そしてあとはいかにすれば美味しいご飯が炊けるのか、研究あるのみ。

蓋にはさらっとドラゴン。

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開けると・・・

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うさぎビーム!なんじゃこりゃ?

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なかなか笑えるお茶碗であるが、実は結構使いよい。
あっさりした染付は食が進むし、重からず軽からずで程よくしっかりした作り。
蓋も持ちやすくて、何気に使っていて安心感がある。
佳いお茶碗でいただく米の飯、これこそが「和食文化」っていうのではなかろうか♪
(因みにちょろっと映っているお澄ましは「ワカメの姿煮」である。
なんか豆ごはんを炊くのに集中する余り、気づくと切るのを忘れて投入していた!!)

お庭が花盛りで、いつもゆっくり見よう!って思ってベンチに腰掛けたりするのに、
視線の先の虫食い跡や花ガラや、いろんなものに気を取られて気づけば作業にシフトしてしまう。。
この日は・・・

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あ!たぬきシステムにトカゲ氏が!!

・・・ってトカゲとかカナヘビとか、これは実は、ふだんの光景なのであるが。。

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ぎゃー、たかられている!!ひえ~。
たぬきシステム様は寛大なのである。
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ものたち | Comments(2)
2017/05/14.Sun

いちばん遅い桜の便り (伊万里染付桜文猪口)

沖縄を梅雨入りにした前線が来て、雨がたっぷり降り、夏椿が開花。
ヤマボウシの枝にも白い花が浮かぶ。
この季節に咲く木の花は、「白」の印象。
夏椿もヤマボウシも芽出しは地味で、早春はクロモジやアオダモ、
コハウチワカエデを堪能していたけれど、
ここにきて、あぁ、この花を待っていたんだよなぁ、としみじみ眺める。
移植のために少し枝を落としたので、今年はそんなに咲かない、
そう言われていたけれど、自分のヤマボウシが咲いた嬉しさは格別である。

庭をぼーっと眺めながら、「あの辺りに夏、ヤマユリが咲いたら綺麗だろうな、
来年は植えてみようかな。」などと妄想していたけれど、
今日ホームセンターに行くと球根が処分品になっていた。
流石に暑くなってからの処分品というのは根付くのがむつかしく、
あまり買うことはないのだけれど、1年待つよりちょっと試してみようかな、
と根が乾いていないものを選んで連れ帰る。育ってくれるかなぁ。。
(寸分のスキマも逃さず花を仕込む三毛庵である。)

北海道から親戚が来て、向うはようやく桜が咲き始めた、という。
日本で咲く終いの桜。
といっても山桜や千島桜などである。ソメイヨシノは育たない。

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連休に猪口を買った。
すこしずんぐりとしていて、これにアイスクリームでも盛ったら
美味しそうだな、と思ったのである、、アイス食いでもないくせに。

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オカメ桜のような、可愛らしい桜である。
切れ込みのある五弁の花びら、丸弁の五弁で表す梅と並んでときめく意匠。

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そこここが慎まやかな猪口。

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この源氏香の見込も、ちょんちょん、と描いて佳い。

庭では待ちに待った、「ベイシーズ・パープル・ローズ」が開花。

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これも魅惑の五弁である。
ハイブリッド・ルゴサ(ハマナス系)で、蕾や葉っぱ、
それに小豆色の枝など、花が咲いていなくても美しく、
庭にあるとうれしくなる薔薇である。(実や紅葉も期待できる!!)
日本人好みのクラシカルでミニマムな美しさに溢れているが、
意外と言っては失礼だけれど、アメリカ人の作出で、1968年と
50年ほどの昔であるので、オールドローズという訳ではない。
そういえば香りのミニバラ、スィートチャリオットもアメリカの作出、
もしかしてアメリカって素晴らしい薔薇の宝庫なのであろうか♪

(↓庭の記録)
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2017/05/09.Tue

ごはんという贅沢 (伊万里染付飯茶碗)

連休は用事やら何やらで結構忙しく、すっかりお疲れである。
サラダじゃない野菜が食べたいなーと思い、平日には珍しくお味噌汁を作った。
手軽に煮野菜が摂れて、低血圧の三毛庵には必要な塩分も摂れて、
でもってやっぱりお味噌には底力があるのである!

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あっ、コレ普段遣いにいいなー♪というと、のんちゃんに
「普段使い」いっぱいあるやろ、と突っ込まれる、、そうでしたか(笑)。
蓋もないし、このようなものはついでに置いてあるようなお店であるからか、
タダも同然の値札が慎ましく貼ってあった。
そりゃあなくても困らない、、でもこんなささやかなものが旅にはうれしいのである。
きっとごはんが美味しいだろうな~ってすぐ夢見てた。

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幕末ごろによくある線描きの、珍しいものでもないのだけれど、
しっかり焼けて、発色もよく、白ごはんのためにあるようである。

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お茶碗を選んでごはんを食べるとは贅沢なことであるが、
ごはんが3倍おいしくなって、一日の疲れも取れていうことなしである。
(高級宿でご馳走食べる分をふるものに使ってしまう三毛庵であるが、
高級宿のごはんより美味しいものを食べているつもりなのである。)

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連休に素敵な画を連れ帰った。
家に来た友人には呆れられたが、佳い画というのは懐具合に関わらず、
ご縁がないと連れ帰ることはできないのである。
まぁ、お代を積めば連れ帰れる画というものはたくさんあるのかもしれないが、
そういうのんは、あまり三毛庵のお好みではない。
好きな画を持ち帰ることのできる『ご縁』というのは、
ものをどれだけ愛してきたか、そしてこれから愛せるかがものをいう世界なのだ。

なのでまぁ、三毛庵の自慢といえば個々の絵云々というよりも、
彼らが自分を選んでうちにやってきた、そのことなのである。
ものに持ち主として選ばれることより誇らしいことはないのであるからして。

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雨が降るというので、咲き誇っていたジュリアを思い切ってカット。
とはいえ、剪定位置を気にするのでこんな頭でっかちの切り花に。
こういうとき、ふるい硝子の盃洗とかアイスペールがちょうどよい花瓶になる。

薔薇の季節の始まり。
ジュリアの次にモスローズのサレ(サレット)が開花。

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モス(苔)っぽいのが可愛いけれど、花も佳いと思う。

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ロサ・ムンディ(ロサ・ガリカ・ベルシコロール)も開花。
どちらもホームセンターにもよくあるオールドローズであるが、
普及している品種って育てやすくて普遍的な美しさがあるものだ。

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ミニバラの星の瞳。
少し弱そうなのが気がかりであるが、この季節は何気に咲くのでよい。

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ブラッシュ・ノワゼット・・・たぶん(笑)。
買ったときにはカーディナル・ド・リシュリューの札がついていたけれどね!
(なんだか葉っぱも蕾もガリカっぽくないなぁ・・・と思っていたら。。)
ホームセンターの苗は時々札違いがあるのが難点であるけれど、
ブラッシュ・ノワゼットは前も育てていて好きな薔薇、
育てやすくてよく咲く、これも佳い品種であるのでご縁かな、と思う。
窓からよく見える位置に地植えしたので、返り咲くこの品種でよかったかもしれない。
この花のお色はソメイヨシノのような透き通る淡いお色である。

(↓お庭の記録つづき)
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2017/05/03.Wed

B品で呑もう (古伊万里波千鳥文覗きと郡上紬袱紗ほか)

ふるもの好きのお酒好きのひとならば、いろんなもので呑むであろうけど、
覗き猪口もそのひとつではなかろうか。
ささっと呑むにはなかなか便利なものである。
とはいえ古伊万里のものなどまだまだそれなりにお高く、
費用対効果という点においては、さほど面白くなかったりするのであるが。

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そんなわけで、甘手のいわゆるB品的なものなどは、
気軽に遊べるものであるので、三毛庵的にはありかなーとか思う。
それに甘手というのは磁器のカチッとしたところがなく、
土っぽい柔らかさが、ふわっとお酒を呑むのには悪くないのだ。
頑張らなくてもそこそこ美味しいお酒が味わえるなんて、
なんて素敵なことだろう!!(全くの個人的見解。)

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ダミの効果がちょっとコンニャク印判(ではありません)チックで可愛い♪

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めっちゃ甘手(笑)。

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こんなものでも、ちょこっとふるものを買ってみる、っていうのは
悪くないとおもうんだけどな。

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下に敷いた袱紗は郡上織(郡上紬)。
入っていた箱からして、昭和のものと思われるので、
もしかするとまだ人間国宝の宗廣力三氏が指導されていたころのものかもしれない。
どうということのないものであるが、これもあるとちょこっとうれしい。
2つあって、それぞれ雰囲気が違ったので両方せしめる。

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黒っぽいほうはシックなので、ちょっとおされなガラスなどよさげ。
(のんちゃんのショットグラスを拝借。)

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「ジュリア(ジュリアズ・ローズ)」が咲いた!!

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今のところ剣弁高芯のハイブリッド・ティーローズはこれだけである。
あとはほとんどオールドローズとかランブラーなので、
ひとつぐらいこんなかっこいいのんはありかな、と思う。
ミルクティー色が独特であるが、香りがほとんどないのが残念といえばまぁ残念。
あとは、あんまりタフではないというところか。

(↓お庭の記録)
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