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2018/08/13.Mon

能茶山考 (染付オモダカ文型打深皿)

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暑い日はそうめんやらうどんやらで済ませてしまうが、
ちょっとぐらい栄養も・・・と気休めの具材を投入する。
手に入れたばかりのゴキゲンなおに盛れば、至福の「うちお昼」である。

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(径20.5cm)

7寸あって深さもあって手取りも安心、そして2枚組というのが用途が広がる。
欠点といえば磁貫があるところで、結構焼けてはいるので不安感はないけれど、
あんまり汁がしみ込むようなものは注意が必要かもしれぬ。

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伸びやかな染付が分かりやすく三毛庵好みであるのだが、
骨董をしている人なら、少々疑問を持たれるのではないかと思う、、
「こんなおあったっけ?」と。
三毛庵もあれ?って思ったのね、古いと思うけどフシギなおだな、って。
なんだか今どきのセンスのよい作家さんが作ったような、「新しさ」がある。
時代の箱には「今里 弐」って書いてあったけど・・・。

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裏もなかなかキュートだけれど、伊万里にもありそうなのにビミョーに違う。
(ちなみに畳付きが真っ赤に焼けているところもこれの特色のようである。)

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ハイ、銘があったよ「茶山」って書いてる。
つまりこれは高知の焼き物、「能茶山焼」ということになるではないか!
土佐藩の御用窯であったが、この「角に茶山」は払い下げ後の幕末頃のものらしい。
(緋色が出ているのも能茶山焼の特徴であるらしい。)
でも三毛庵にとって衝撃的だったのは、能茶山焼がこのようなユニークなデザインセンスの
ものを作っていたということだ。
こういうものってネットではさっぱり出てこないのだけれど、周知の事実なのかな?
江戸後期には、伊万里のビジネスモデルに目をつけていろいろな窯が磁器を焼いているけれど、
例えば九谷の若杉窯の染付などを見ても、いままで(中央で?)言われがちだった、
「伊万里の模倣」というのはちょっと違うんじゃないかと思うものがたくさんある。
能茶山焼も御用窯時代は優品を焼いたというけれど、
この秀逸なデザインのおを見た三毛庵は、中央目線で書かれていることって
実はずいぶん違うんじゃないかなぁ、って思った。
江戸時代の文化っていうのは今よりもっと豊かなものだったと思うのだ。

それでね、三毛庵的にびっくりしたのは、、

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じゃあ、このお皿@あのお皿@も能茶山焼ではないのか、ということである。
銘がなく、でも伊万里ではないと言われ、じゃあどこならこんなセンスのものを作れたのか、
ということがずっとずっと疑問だったのだが、これが答え?(もしかして新発見か!(笑))
見比べると大きいお皿が焼が甘いせいか質感は違うのだけれど、
これって同じ人のセンスを感じたりはしませぬか?(図柄が三方に広がるところとか。)
型打ちを採用しているところ、分厚い高台の造り、緋色も小皿の一部には出ていて、
どうしてもそういう風に思えるのん。
あー久しぶりに妄想を膨らませてゴキゲンな三毛庵。

前回、小皿の窯についての疑問を書いたばかりであったけれど、
あまり余計なことを考えずにいるときって、こういう符号があったりするのが不思議である。
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ものたち | Comments(2)
2016/09/03.Sat

遺るもの (切込焼色絵桃文豆皿)

仮住まいも終盤に差し掛かり、あれやこれやと用事があったり、
仕事もそこそこ忙しかったりで淡々と暮らす日々である。

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それでも、美味しいお茶にほっこりするお菓子など、
スキマ時間の充実には余念がない。
間髪入れずに台風がやってくるので、体調もまあまあ悪いのだけれど、
休日にましなご飯を食べれる、とか、そんなんでも気分は十分満ち足りる。

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へぇ、こんな柄があるんやなぁ、と色絵くらわんかかと思い、手に取った。
聞くと切込焼の色絵なのだという。
確かに伊万里や波佐見とは違った様な、
野趣のある様な磁土なのだが、素人には判別の難しいものである。
何であれ、溢れんばかりに描かれた桃にときめいた。

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こういう絵の描けた時代の「豊かさ」について考えてみる。
今の感覚からすると、厳しい時代だったはずなのだが、
こういうものを見ていると、なんだかよく分からなくなる。。

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(径7.8cm)

裏面。この一枚は砂がついていた。

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5枚あって、なんだかたからものだなぁ、、とうれしくなる。
桃の茶壺@に浮かれていたころに出会って、
桃の神さまの思し召しか~と思ったりした。

その頃に急須研究に没頭して買った急須のひとつと、
なんとなく気持ちが通じるというのか、そんな感じでいた。
使い勝手がよいとか、そういうことなんだろうと思ったけれど、
作り手とこころが繋がるような気持ちだった。
先日、その作家の方が亡くなられたと知った。
もうここにはこの急須しか残っていないことが、空しかった。
だけど、急須は今もここにあるのだなぁ、と思うと
何かすこしだけ救われる気がする。
「もの」というもののありがたみである。

<備忘録>
藤田嗣治展へゆく。
美しい絵と、戦争画を見た。
フランス人として亡くなったのに、「藤田嗣治」展である。
そうなったことについて、誰も責任を取ってもいない。
でも、時間が彼を呼び戻した。

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ものたち | Comments(0)
2016/02/26.Fri

グーグリーアイ (色絵磁器人形)

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ニヒルな笑みを浮かべるワルガモ氏である。
のんちゃんにアンティークショップで捕獲された。
(来てやったんだ、という顔をして鎮座する彼であるが。)
聞くといつのどこの時代のものかは分からないのだが、
英吉利からはるばる海を渡ってやってきたとのことである。

ふだんアンティークショップにはさほどご縁がない。
場が変わっても好きなものをいつものように拾い上げるというのは
あんがいむつかしいものだ。
でもワルガモ氏はのんちゃんに拾われたのである。

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さて、三毛庵のもとでさっそく身辺調査の洗礼を受けるワルガモ氏。
ヘンだなぁと思ったのん。
この顔、紅毛にしては可愛すぎる、、それに言われたよりもっと古そう、って。。
配色を見て、なんとなくアールデコのオールドノリタケを思い浮かべた。
(もちろんそんなマークなどない。)
うーん確かにその時代、こんな配色のノリタケがある、、、実は和ガモ?
だって目とかくちばし、足のひれを描いている線、
こんなふうにさらっと描くのは筆を扱い慣れたお国のひとだと思うのん。

あ、と思ったのは、やっぱりこの配色のことである。
これって・・・磁器人形の招き猫とか福助さんとか、彼らのお色と同じではなかろうか。
そう思って調べると、まさにおんなじ!!
おぉっ、ワルガモ氏は和ガモ氏であったのか♪
かれこれ100年まえ、大勢の仲間たちと一緒に渡欧した彼なのである。
そうしてずっと異国の地で暮らし、ある日ふいっと
故郷など見てやろう、などとおもったのかしらん。。

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嗚呼、郷愁のワルガモ氏なのであった。
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2016/02/03.Wed

船出の立春 (伊万里?染付舟形湯冷まし)

久しぶりにお疲れがたたり、寝付けない。
まぁ、眠たくなるまでうだうだすればいいのであるが、
打って変わって仕事中、ことに昼食後は寝落ちそうになるからなぁ。。

今日は節分、そして明日は立春である。
そう、気づけば三毛庵の愛する2月なのである。
そうして、怒涛のお片付けもほぼほぼ終焉を迎え、
仮暮らしといえど、そこそこの日常が戻ってきつつあるのであった。
業者さんの仕入れの時間の終わった市へ行く。
なので、何かすごいものを期待しているわけではないのだが、
人が見向きもしないものにも、何やら共鳴するものはあるもので、
そういう自分自身すら予想しない、「あ・・」というこころもちを
むしろ期待しているのかもしれない。
「あ・・」と思いたいがために、がらくたにお小遣いを投入するのだが、
まぁ「遊び」ってそういうことだと思うから。

そんな訳で、傷物の物体に目が留まる。
キズは勿論ないに越したことはないのだが、
物体の市場価格云々よりも自分の好奇心を満たす方が先決である。
(でも、キズぶんを何とか!と価格交渉したけれどね!)

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(長径9cm)

何だろう?と聞くと湯冷ましではないかという。
なるほど、、やけにグレイッシュな染付だけれど陽刻部分が白抜きで
全体のトーンは幼いのだがなかなか凝ったつくりである。
それにしても愛らしく、順風満帆出発進行!という躍動感あふれるお姿である。
(帆はもちろんないけれど、張ってあげたら進んで行きそう。)
キズがなければなあ・・とは思うけれど、
机上に浮かべているだけで愉しくなってくるので、良しとしたい。

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あるだけでまんぞくなのであるが、少量のソースやドレッシングを
入れて食卓に置いても、くすっと笑えるかも。
ミルクピッチャーにもなるかも♪
なんか見ていてけなげで、元は十二分にとれている三毛庵である。

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汚れは結構落としたのでこんな感じだが、元々裏など真っ黒だった。
何だろうな~とは思ったけれど、やはり伊万里か平戸あたりの
系統ではないかと察する。
こういうものを見つけた後は、仕事に重圧があろうとも、
でもお家にお舟がいるもんね!と浮かれて立春を迎えられる
三毛庵なのであった。
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2015/02/11.Wed

紀元節の風景 (和ガラスエナメル彩コップ)

近ごろ、祝日に旗を掲げる家を見ない。
小さいころ、そういう風景を目にして、ああ、お目出度い日なんだ、
そう思ったものであるが。
最近のハッピーマンデーも、祝日の「ハレ」の気分が無くなった
原因の一つであるような気がする。
(自分が大人になって、お休みを十把一絡げに
捉えるようになってしまったのが、いちばん大きな理由だろうけれど。)

建国記念の日は数少なくなってしまった、変動しない祝日で、
今年は本日水曜日、週なかにお休みがあるのは却って珍しく嬉しい。

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少なくとも大正、100年ぐらい経っていそうな和ガラスコップ
コップ型のエナメル彩はあんがいないものではあるらしい。
片方には帆掛け舟、もう片方には梅の咲く東屋が描かれていて、
東屋には小さな日の丸が掲げられている。
日の丸があるので、勝手に三毛庵、これは建国記念の日の前身、
紀元節の風景である、と妄想しているのであるが・・・。
(春分も戦前からある祝日のようで、その可能性もあるけれど。)

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売主曰く、もっと珍しい柄も一緒に出たそうなのであるが、
そんなことにはお構いなしに、三毛庵この2つのコップにぱくっと食いついた。
藁屋風景とか帆掛け舟にはいつも吸い寄せられるのである。

実は三毛庵的に、この二つの組み合わせには需要な意味がある。
大正期前後の近代絵画が好きで、それはどう説明すればいいのか
分からないのであるが、言えばあの、「近代絵画の青春期」なところ・・・。
なので、日本画でいえば国画創作協会の画家などは外せなく、
こちら@のスケッチを見つけたときは、誰が描いたかを知ろうとして、
笠岡の竹喬美術館に行ったりもした。
そんな訳で、小野竹喬の画にも随分と魅せられたりしたものだ。
彼の壮年期以降の完成された画は勿論素晴らしいものだけれど、
渡欧前に西洋に憧れつつ描いていた、いわゆる若描きの作品は、
発展途上故の輝くような切ないような美しさに満ちていて、
それはやっぱり近代絵画の青春としか言いようがない。
そんな中で度々登場するモチーフが、藁屋と帆掛け舟なのであった。
そのような、国画会系の画など持つことは敵わないにしても、
このコップを眺めながら、当時の画家たちに思いを馳せるのは自由である。

それにしても・・・、穏やかな今日祝日、ドライブしながら
ぼんやり車窓を眺めて、当時の画家たちが美しいと思ったような、
そういう風景とは、今の時代ではどういうものをいうのだろう、そう思った。
藁屋や帆掛け舟のレベルを遥かに超える人造物が巷に溢れ、
その風景がいったい美しいのか、さっぱり分からないのは、
三毛庵が最早真っ直ぐものを見れないせいなのであろうか。

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(高さ9.3cm)
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