2016/09/10.Sat

もう秋に染まる (伊万里色絵猩々文膾皿)

早くに目を覚ますと、いつの間にかすっかり夜明けが遅くなっている。
鉢物の様子を見にベランダに行くと、空気もひんやりとしている。
抜かずにおいた、イネ科の雑草たちが穂を伸ばしている。
昼間の残暑は厳しいけれど、やっぱりもう秋なのだ。
そういえばあんなにうるさかったセミはどうしたろう。
大人になるといろんなことを見過ごしている。

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ゴキゲンな顔をした、猩々の皿である。
赤ら顔の猩々を薄い朱塗りにし、菊花も赤絵で描いて、
これから本格的にやってくる秋に似つかわしい配色と思う。
紅葉シーズンよりも、その前のこんなスキマの季節によく映える。
釉剥げしてオンボロなのも秋っぽい。

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ところでこのお皿、以前手に入れたこちら@のお皿と同手である。
強いて言えば、前回のはいかにも色絵っぽく、
今回のほうは朱が利いて赤絵っぽいぐらいの主観の差である。
前にも見かけたことはあるので、それなりにある図柄なのであろう。
ラフ可愛い絵柄がお好みなのと、今回も申し訳ないような
お値段であったので、ついつい連れ帰ってしまった。
3枚のうち2枚、ちょこっとアタリがあるけれど、おうち遣いには問題ない。
枚数があればおかず皿に使えるしね。
(シュッとしてない色絵のお皿を使いこなす力量があればなぁ。。)

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こんなふうを眺めていると、そりゃあ古九谷の色絵端皿もいいけれど、
おんなじようにこれも素敵だなぁ、と思う秋である。

<備忘録>
鉢物のお手入れをしていたら、春蘭が狂い咲きをしているのを発見!
けっこう立派な花で、香りも春とおんなじよい香り。
今のところ、少し黄色っぽく、丸っこく咲いているかな?
(前回画像→こちら@の一番下の花)

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2016/03/10.Thu

長安市上酒家眠 (伊万里染付詩仙文小膾皿)

うーむ、これはきっとセット売りだよなぁ、、6枚もあるやん。
・・・てなときに限って、皿殿が「なぁ機嫌よく連れ帰ってぇな」と仰り、
欲どしく連れ帰る三毛庵であった。
幕末辺りの線描はそんなお高いものじゃないとは思うけれど、
お気に召したものがあっけなく手に入り拍子抜けである。。

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だってなぁ、これ可愛いやん、
少しぐらいお高かかっても、2枚だけでもなんとかせしめようと思うで。
染付のみずいろがいつになく綺麗なんは、強なった春の日差しのせいか?
などと思ったほどやで。(みずいろには弱い三毛庵である。)

で、このお方は詩仙、李白様なのである。
5枚は同じ文言、1枚だけ李白の文言があり、繋いでみると
「李白一斗詩百篇 長安市上酒家眠」となり、
杜甫の「飲中八仙歌」の一節であるようだ。

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春の市、眠りこけた李白を詠う杜甫の詩に出会う、ってゴキゲンである。
李白を敬愛する杜甫の詩を敬愛するお人がいたから
こんなお皿があるのだなぁ。。

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(径12.7cm)

こんなふうに姿はなます皿の小さいヤツなのだが、
いつになく品の佳い蛇の目高台にあっさりした唐草の裏も好きなのん。
ほかのんとどうちゃうねん、って言われそうであるが。。
取り皿サイズのおかずに好しなものだけれど、
さっそくケーキまで載せちゃいましたよん♪
(何しろケーキ皿のない仮暮らしに不満をたれていたのだ。)

だってなぁ、このみずいろにはなにやら春浮かれると思いませぬか。
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2015/10/19.Mon

11年目のじかん (くらわんか膾皿)

釣瓶落としの秋、慌てて帰って肉じゃがを炊く。
早く炊けるようにちょっとだけ小さ目にお芋を切ったけれど、
あんまり小さくても美味しくないし、苛々炊いても美味しくない。
「時間」というのもひとつの調味料なのである。
年を取ってよかったことは、時間がかかることに苛立たず、
むしろそれを大切だと思えるようになったことだ。
有り余る時間を持っていたはずの若いころのほうが、
時間に対し焦りを抱いていたというのは不思議である。

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肉じゃがをくらわんか膾皿に盛ったのだけれど、
食べるときは時間を無駄にしない(笑)三毛庵であるので
肝心の盛り付け写真がまたもない!

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(径14.5cm)

くらわんかとは何ぞや、というのもさほど知らぬ頃(きっと10年以上前!)に買った。
使ってみたい気持ちはあったけれど、
いろいろでずっと寝かしていたものをこの秋下ろした。
膾皿の中では小深くて、熱々の肉じゃがもほどよく受け止めてくれる。
時間のないとき、パックのおでんを盛ってもご馳走になる。
当時は今と違ってもっと高かったんじゃないかなと思うけれど、
じゅうぶんに元は取れるぐらい、美味しい時間を提供してくれ、感謝である。

気がつけば、ブログを始めて11年目に入っていた。
鬱だったころ、たまに「時ぐすり」と言われ、
「果たして時間が解決などしてくれるだろうか」などと思った。
そういうこともあるのかもしれない。
私の場合はよい医師に出会えた運が大きかったけれど。。
誰にとっても「時間」は自由に操れるものではない。
よい時間もそうでない時間も、それを生きることができるだけだ。
今でも、鬱だったころ、あの日々を「生きている」とは言いたくはない。
だけど、あの「生きているとは言い難い日々」があって、
いまはいっそう生きたいのだと言える。
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2015/03/30.Mon

春に浮かれる (印判膾皿)


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印判のなます皿というのはありふれたものであるけれども、
どっしりとした磁土の質感には、いつも心惹かれる三毛庵である。
なんというかな~フツーのおかずをフツーに受け止めてくれる、
安心感というようなものがある。
垢抜けなさもバンザイ!って感じである。
だからといって、お気楽にほいほい連れ帰るのもいかがかと思うのだが、
ちょっと小ぶりだな(こちら@よりは少し大きいけれど)とか、
底に厚みがあって持ち重りがするな、とか、ビミョーなこだわりポイントが
見つかると、連れ帰っていっぺん使ってみたいな~と、
好奇心を抑えられなくなるのである。

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(12.7cm)

ありふれた印判膾皿の高台、でも三毛庵的には今出来の
ブランド食器より魅惑的なのである(笑)。

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こんなところにお宝文があったりするのも、小っちゃくうれしいポイント!
という訳で早く使ってみたいのに、週末忙しくてなかなか活用できないのが
もどかしいことであった。

さて、用事があって、アンティークフェアも参戦したのは最終日曜日。
さすがに安カワイイものはもうないだろうしと、気合を入れることもなく、
物見遊山気分でお出掛けた。
だけどそういう時ほど意外によい出会いがあるのはよくあることで。
これが残っているなんて、とゴキゲンになる。
(あの、山のような人々がたっくさんお買い上げたものの中に
どんなええもんがあったかは今さら知る由もないけれど、
三毛庵的には「よしよしお前、見つからなかったか♪」とお目出度い。)
先日思いがけず気安く手に入れたものと繋がりのあるもので、
こういうのんも意外とよくあることだなぁ、と思った。
もちろんこの度は気安い訳ではなく、それなりにフンパツしたけれど、
それでも三毛庵的には夢のようなお買いものであったと思っている。
などと、ずいぶんゴキゲンな書きっぷりでありながら、
ブツを開示しないのは卑怯であるぞ、とそしられそうであるけれども、
今しばらくはひとりでうししと楽しみますよん。
それに所詮、「夢のよう」なのは三毛庵ひとりのことだしね。
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2013/09/26.Thu

鬱と実りの秋と (伊万里色絵くらわんか手葡萄栗鼠文膾皿)

久しぶりに鬱帝国を彷徨っている。
春や秋の移り変わる季節は良いけれど、体調管理には要注意である。
一時的なことだとは分かっているので、ここは耐え忍ぶしかない。
意味もなくひたすらに辛いのであるが、我慢強くないので
のんちゃんとか、あちこちに泣き言を言ったりしてしまう。。
気を紛らわすのにブログを書いてみたりしているのだが。

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とはいえ、まだ食べ物は美味しいと思えるからたぶん大丈夫なのだろう。
梨のシーズンがやってきたので、近頃みつけた膾皿に盛ってみる。
(要するに、何かに膾皿を使ってみたかったのだが。)
焼き継ぎ直しと甘手という、完品の残骸?らしきものたちである。
真ん中に値札が貼ってあって、何かが隠れていたので見ると・・・

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あらら、しっぽふさふさのリスだったのね!
これは葡萄に栗鼠の文様だったのかぁ。

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こっちの甘手のほうは、リスがわしわし食べている葡萄のお色が
塗り分けてあったりしてまた可愛い。

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(径15cm)

よく見ると葡萄の蔓も描いてあって、まあるい葡萄の茂みのおうちで
たらふく実をいただいているリスの図なのであった。
この手の色絵はよくよく好きだなぁ・・・と自分でも思う。
重ね焼きするための見込の釉剥ぎの部分に色絵を施していて、
要するに隠すために描いている絵なのだけれど、
それが千差万別なのが愉しくって、つい見つけるとうれしくなる。
釉剥ぎの円形を何に見立てるか、限られた中にも工夫があって、
この膾皿だと葡萄で出来たリスのおうちだったりする訳である。
色絵だけれど豪奢ではないところもお気に入り。
まぁ、染付と違って使い易いかと言われればビミョーだけれど、
それでも小深いのでクリームシチューぐらいならよそってみたい。

そういえば、こういう色絵が好きなのは、長患いの後、
鬱帝国脱出の光が見えた頃に出会ったこのお皿の思い出@にも
あるような気がする。
思えば本当に鬱だった頃、こういう小さなものにも心が動かなくて、
これって生きていると言えるのだろうか、って思っていたっけな。
生きているんだからいいんじゃないかと思う人もあるかもしれないけれど、
心が生きていないというのは、どれほど希望がないものかと
今もやっぱり思ってしまう。




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