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2019/10/24.Thu

霜降る頃 (清染付花入)

朝早くなんとなく目覚め、少し肌寒かったので膝掛けを出す。
昨日は「霜降」だったのだそうで、次は「立冬」だから秋も終わりである。
だけど、、夏とまでは言わないにしてもこの辺りはいつまでも気温が高く、
秋らしい時期がすっかり失われている気がする。

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それでも季節は進んでいて、ホトトギスの開花のあとは、
菊の類が咲き始める。
去年の今頃旅先で見つけた園芸品種の真っ赤な小菊。
小さなポット苗だったが、今年は一枝失敬できるほどには育った。

咲いたら何にいれようかな、と楽しみにしていたけれど、
旅先で思いがけずこれを見つけたとき、あぁきっと小菊が似合うな、と思い浮かんだ。
近ごろは、庭に花が咲けば一枝切って楽しむそのような日々、
そんな中でふと花入を見かけるのである。

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清のはじめぐらいのもの、ということであったがどうだろう、
ぼろっちいまでに古い箱に少し前の札があって、古染付とあった。
売主の仰る通り、明末などはないであろうが、厚手の造りは清でも日本注文の末裔と言うのは贔屓だろうか。

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裏に描かれた、このお山にぐっときてしまったのねぇ。

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表の笑っちゃうよなおぢさんもお気に入り。
まぁ、正真正銘明末古染の、一見ユルそうでも格調高いお品とは比較にもならないけれど、
圧倒的に美しいというのも、何か正論をかざすようで、ときには引けたりするものだ。
強者の論理など微塵もなさそうなところが、取り柄と言えば取り柄なのかもしれない。

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それにしても小菊の愛らしいことである。
ずいぶん昔、アンケートで年齢が上がると好きな花の上位が「菊」になる、と読んだ。
その頃はイングリッシュガーデンのはしりだったから、今の中高年の好きな花はもう「薔薇」かもしれない。
だけど今や三毛庵も、庭の片隅に咲く菊を愛でる心情がよく分かるおトシになったのだ。
そうなったのが寂しいかというとそうではなく、分かる世界が拡がったのだと知った。

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さて、毎年のお楽しみ、鳥取の新興梨を買いにお出かけして、
帰りしな、大徳醤油さんの地元限定の生醤油があるのを思い出して買い物に寄った。
おいしそうな純米の地酒が置かれていたので・・・
金魚ちゃんをゲットした!!
(三毛庵宅は空前のお金魚様ブームなのである。)

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どちらもジャケ買いと言えそうだが(笑)、でも本格派のお酒なのだよ♪
金魚のほうは発泡にごり酒、楽しみ~。

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週末にはお金魚様と小菊で一杯、ってところでせうか。
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2019/10/17.Thu

ニコイチのことと (プレスガラス覗き猪口)

手に入れてから密かに浮かれて、ずいぶん経つ気がする、、

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プレスガラスの小さな覗き、おいしそうなほんのり昔色。
ガラスに興味のない人から見ると、こんなものが?と思われるかもしれないが、うれしかったのだ。
硝子で覗き、というもの、ないと思うんだけどな。
まぁ、数がなければよいって訳じゃないけど、酒徒憧れの筒と言えなくもなく、
何よりプレスガラス好きにはこの塊感がゴキゲンなのだ。

それに何よりうれしかったのは・・・

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晩酌セットができちゃったことなのだ♪

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大きいほうを見つけた時もここ@に書いたが相当浮かれたんだけど、何しろたまたま遭遇したもので、
もうひとつあればなーとはちょびっと思った。
そういう、あるかもしれんけど追っかけるのは間違いのようなことって、
ちょっとだけ望んだらあとはもう忘れるが吉なのだ。

そんな訳で、忘れたころにこういう、ありそうでないものがあるSさんのお店
(Sさんのお店は正統派の骨董のよいものだけでなく、マニアゴコロを擽る、
あれっと思うものが密かに置いてある。)でこれを見つけたときはびっくりした。
もちろん、しっかりしたお値段ではあったが、Sさんの値付けは
ものがわかってつけるにしてはいつも良心的だと思う。
大きいほうを見つけたときはガラ扱いであったので、内心どきっとしつつも
平静を装ってしれっと買った意地悪い三毛庵であるが、
それは勉強しているほうへのふるものの神さまからのご褒美というものだ。
だからちゃんと払うべき時は払うのが世の掟である。

それにしても、硝子覗き猪口シリーズは何で貝文(しかも三面違う!)なのかな?

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という訳で、せっかくニコイチになったので、箱に入れてあげようとこの度思った。
この箱の入手というのもおかしな感じで、催事に来る箱屋さんに頼もうと思ったのん。
なのに当日慌てて現物を持っていくのを忘れ、しまったなぁ・・・とみるとこれがあった。
普通、ニコイチの箱など注文しかないのだけど、聞くと頼まれたものがサイズが違ったとの由、
合えばお買い得なのだという。
筒のサイズも確認していなかったのだが、タイミングよく出てきたのはこれでいい、ってことかなぁ、と思い持ち帰った。
実際のところ、上手に布を巻いて、高台を上にすれば収まっている?というナゾである。

結局、この筒たちはこうやってニコイチになりたかったのかなぁ。

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庭の花もそろそろ終盤で、ホトトギスが咲き始める。
ホトトギスも白いシモバシラも地味な花だけれど、秋に似つかわしい花である。

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勝手に育った糸薄が庭の一隅を素晴らしくしている。
(と思っているのはどうやら私だけのようであるが。。)
綺麗だな、と思うけれど、、いまだに全貌の掴めない台風の被害に何を言えばいいのだろう。
このような日常も決して当たり前ではない。
道端の草がきれいだとか、ご飯が美味しいというようなことを、
誰もが感じられる暮らしであってほしいと願う。
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2019/10/06.Sun

十三夜近く (竹一重切、伝山本倉丘「菊花図」)

庭の一角に、去年つんつんとした草が生えていて、雑草というにはよいグラスであったので、残しておいた。
今年になってぐんぐん株が太り、見ると何やら穂を出すようで見ていると、それは糸薄だったのだ。
庭を掘り返して茶花などを植えていると、たまにはこんなオマケがついてくる。
どうやら十三夜には庭で楽しめそうであるが、一番早く開いた穂を失敬する。
それにしても、次の台風は一体・・・。

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秋海棠はなかなか花期が長く、ちょっとずつ分岐していくのでありがたい。
でもやはり、蕾のころのほうが入れやすいかな。
藤袴もこれだけ暑さが残っても長く咲いてくれるのがうれしい。

やや小ぶりでいい感じに枯れた一重切を手に入れた。

後ろのは折れがついてしまっており、箱も合わせであったので格安にしていただいたもの。
折れはありがたくはないけれど、絵柄はちょうど今の時期によく、
何よりもこのような線描モノは好物なのだからして。。

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山本倉丘のもの、ということで買っているが、不勉強なので私にはわからない。
「蒼丘子」とあり、落款も今流通する戦後のものとは違うようなので、
本物だとすれば若書きなのかもしれない。
のんちゃんに言われて気づいたのだが、左端が切れているので元々下書きなのか?
(切れていてバランスが悪いかというと、ちょうどよい非対称、、意図したものか。)

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凄く、綺麗な筆なのだ。
線はやっぱり日本画の命であるのだが、近代的な写実でもあり、
西洋のボタニカルアートとはまた違う、こういうの、おうちに飾りたし、って思う。
支柱に支えられた菊の茎など、あぁ、菊ってこうだよなぁ・・って思い出すもの。
(売り物にする切り花を整える手伝いをしたことを思い出した、リアルな実感!)
空気の澄んでくるこの季節、このような美しい線を眺めるの楽し。

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この一重切は楕円に育ったしっとりとした竹でつくられていて、
これもまた、ちょうど十三夜の月のように日本のものらしい不完全なるものである。
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2019/09/24.Tue

うちのごはんとうちのはな (くらわんか手奈良茶碗・瓢形花籠)

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いつものように栗を買いに行く。
今年は彼岸花の遅い年で、田んぼのわきにようやくちらほら咲き始めていた。
栗もまだたくさんは出回っていないようだったが、いつもの栗おはぎは発売になっていた。
春には筍、秋には栗を実家に送り、自家用にも買って帰るのが慣わしで、
日々の食事はお粗末なものであるので、春秋の炊き込みご飯だけは頑張る三毛庵である。

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今回はおすそ分けをするのにガス炊飯器で炊いたけど、今度は鍋で炊いてみよう。

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奈良茶碗とか広東型とかいうようなお茶碗であるが、
くらわんか手の渋めの呉須で、このような秋のご飯がぐっとくるものである。
初期手のお茶碗など憧れるが、相応の覚悟を持って手に入れるようなお品である。
これなどは蓋がガタついたり、小さな難点があったりなので、
ずいぶんと良心的に譲っていただいたものなのだが、
家庭で作る秋のご飯がよく映える、高スペックなお品と思う。
こういうものに探すではなしにふと出会ったりすると、その日はもうよい一日だ。

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庭は茫々になっていて、それというのも早朝を除いては
外に出る気力も萎える猛暑が続いたせいであるが、
そのせいでさらにイラガまで発生して(今年はやけに多いのである。。)、
昨日はついに手が腫れる羽目に陥ってしまった。
おしゃれな庭雑誌などには、決して出てこないイラガとの闘い、
皆さま一体どうされているのであろうか。

それでも少しは欲しいな、と植えた秋草がぽつぽつ咲いて、
茫々の庭に秋草の咲く様はのんちゃんのひんしゅくを買えども好きなのである。
今年ようやく手に入れた秋海棠と一緒に入れたのは、
「菊葉玉咲フジバカマ」という名で売られていた山野草、
藤袴の地味な風情が好きなのだが、これは葉っぱや小さな花の様がよい花だ。

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こんな風に庭で乱れて咲く雰囲気を入れてみたいものだが、
まだケチって倒れ掛かった一枝を失敬して入れるような次第であり、
庭で見るときの感動を再現できる腕もない。。

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先日書店で見かけた本を買ってきた。
裏千家の偉い先生の本であるが、花に向き合う根本のところを
素人のこころに響くように書いてくださっていて、なかなか得難い本である。
洋花や、身近な草花も茶花として入れてくださっているところもうれしい。
さらに技術的な面も基本のところを書いてくださっているので、
我流(というかそれ以前)な三毛庵にはありがたい。
綺麗に入れられた写真だけあっても、美しければいいのか、という気になるし、
技術的なことだけ書いてあっても花を入れる人の気持ちなど分からないし、
そういうところが書かれているものって意外とないのである。
いつも花を庭から摘んできたら大慌てでざっくり入れている三毛庵も、
もうちょっとひと呼吸おいて、いい花をいれたいものである。
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2019/09/14.Sat

名月、それから菊と (菊慈童の古画、九谷の香炉)

ふと夜中に目が覚めてしまい、外を見ると仲秋の名月。
思ったよりも雲の多い夜だったので、寝る前に少し見えただけだったのが、今は煌煌としている。
宇宙へ行くとか、月に着陸するとか夢の多い昨今だけれど、静かに輝く月を見ること自体が奇跡である。
街中で暮らしているともうそのような実感などないのだが、
子供のころには月明りで影踏みをしたという記憶もあって、
また、旅に出てたまに夜中に山里を抜けたりすると、山の端に思いがけず大きな月を見ることなどあり、そういうとき素直にありがたい気持ちになる。

帰りしなに、月見団子でも、、と百貨店に寄ってみると、帰宅途中の人たちがお団子を買うのに並んでいて、平素並んでまで買うのが苦手な私もその列に加わった。
静かに順番を待っている人たちを見ると、月はやっぱり「お月様」なのだなぁ、と思う。

仲秋

庭の薄を切ってきて、お団子をお供えする。
庭に植えるグラス類は何より薄がよい三毛庵なのである。
大きくなると株分けなどなかなか大変であるのだが、今年は分けた株を実家に送った。
仲秋が九月であると、北海道では薄の穂が出ていないことがあったりし、母が残念がるのだが、
この薄は穂が出るのが早いので、送ってみたのだ。
残念ながら植え付け初年度の今年はだめだったようであるが、草姿がよいらしく、気に入っているようだ。

お月見のお供え

月見団子は関西風のにょろっとしたやつ(紙を外していないのはご愛敬)。
古い九谷の香炉と。

重陽の節句に

は先日の重陽の節句に飾っていた古画のまま。
今年の春に手に入れて、秋が来るのを楽しみにしていたもの。
近ごろは、床の間もなければ和室もないお家が多いせいか、物は割安なのがちょっとうれしい。
(探すところ次第では、現代アートよりずっとお手軽に手に入るのだ。)
仕舞うときに場所を取らないし、例えばマンションのお部屋などもいいと思うんだけどな。
まぁ三毛庵は難しいお作法などは知らないので、人様にお勧めする分際でもないのだが、
一本でお部屋に季節が生まれるって結構素敵なことなのだ。

菊慈童

時代の菊慈童、少し痛みはあるものの、私よりもずっと永く、大切にされてきたようである。
裂も当時の品のよいものらしく、趣味のよさという点において、昔の人には敵わない。

流通している立派な菊など見ると、野菜っぽくてあまり感ずるところはないのであるが、
野に咲く菊や、あるいは庭で乱れて咲く菊は佳い花である。
ここに描かれている菊はそういう花らしくて、うれしい。
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