2018/03/13.Tue

マニアックと食いしん坊の日々 (『不染鉄之画集』&伊万里染付線描菊文皿)

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昨日帰ると画集が届いていた。『不染鉄之画集』きゃーかっこいい装丁!!
この本、発売前に重版になったのですよ~。

ごはんを食べて、お腹もこころも落ち着けて頁をめくる。
おーこれはクールだ!不染鉄がどんなにかマニアックで勉強家かが分かる♪
(あたたかでユーモアのセンスあふれる画風で周到に隠されているけどね。)
Eテレの特集を見てこの画集を買った人は、きっと不染鉄の本当の凄さが分かるんじゃないかなー。
うふふ、またまた巷に不染鉄の評判があふれるのを想像して了う。
巻末の座談会もすごく面白い。
不染鉄LOVEのマニアックな専門家の方々の集まりで、
言いたいことをぜーんぶ活字にしちゃってくれているので凄く嬉しい!
三毛庵はドシロートなので、不染鉄の凄さを文字にするのもままならないけど、
これを読んだらそうなのよ!そうなのよ!!とうなづいてしまった。
皆さん!「いい人」に騙されちゃダメですよ~。
不染鉄はそんな薄っぺらじゃないのですよ~(笑)。

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さて、日曜日はロースト・ビーフを焼き、丹波の山の芋を擂って出汁で溶き、
牛とろ丼をいただいた。ちなみにローストビーフはフライパンでだらだら焼くのである。
フシギな形の後期の伊万里染付のお色が綺麗でご馳走を演出!
こういう、日々の暮らしを底上げしてくれるような、
使いやすくてべっぴんさんな器を探してくるのが上手なKさんに譲っていただいた。

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それから市でお揃いに使えそうな覗きをみつけ、
この日はこれに牛とろ丼にちょろっと垂らすソースを入れた。
(三毛庵の料理の仕事量は少ないが、その分器が仕事してくれている。)

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おやつは土曜日のフルーツ餅の残り、この日はメロンとパイナップル。
珉平の千鳥から溢れそうです。。

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今日は手作りのいかなごのくぎ煮をいただいた♪
こういうとき、絶対いい仕事をしてくれる平清水の片口に。
疲れて帰っても、炊き立てごはんにくぎ煮があったらシアワセ~。
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2018/03/10.Sat

苺の春 (「不染鉄 遺作 再見展」)

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嗚呼、苺の春。松竹堂さんのフルーツ餅をおやつに♪
好奇心を抑えきれず、楊枝で真っ二つに割ってしまうのであった。。

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三毛庵は苺餅(さくらももいちご)をいただく。
ちゃんと桜の花びらの形になっている!

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のんちゃんのも苺餅。こっちの品種は何かな?

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口の中であっという間に消えてなくなりまする(笑)。

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本日は久しぶりに星野画廊さんに行く。
先日Eテレで不染鉄の特集があり、大きな反響があった。
もうすぐ求龍堂さんからも画集が刊行される。(星野画廊さんにはもう置いてあった。)
星野画廊さんも所蔵品を展示されるとのことで浮かれて見に行ったのだ。

Eテレの放送、きっと星野さんは満足されていないだろうな~、と思っていたが
案の定であった(笑)。
私も、不染鉄の特異な経歴や独特の画賛、人間性があまりにクローズアップされて、
彼の誰にも負けない画力についてもうちょっと力説してほしかったなーとか、
ちょこっと思ったからなぁ。。
でもまぁ、メジャーデビューするためには、「物語」が必要なんだろうな。
彼を知らない人に興味を持ってもらうのにはよく練られた構成なのかもしれない。
私も不染鉄の画を初めて見たときは、彼の力量に驚いた、というよりも
何が起こったか分からないような衝撃だったから、、絵とはこうなのか、というような。
絵の上手さ、なんて見た後に気づけばよいことだものね。
それから、私にとって不染鉄は「いい人」というよりも
「女性と昼寝と旅が好きな好い男」という感じ。根拠はないけどきっとそうだと思う。
あんまり聖人君主みたいなレッテル貼ってほしくないな~(勝手な希望)。

星野画廊さんでいろいろ見せてもらって(美術館では間近には見れないですからね)、
線の厳しさに圧倒されて、「線」に泣けるのは私の中では
不染鉄と藤田嗣治だなー、とまたまた勝手な個人的見解を思ったりした。
墨の美しさにも圧倒されて、うーむ鉄斎にも負けないぞ、とか思ったり。
顔料もですね、不染鉄のは本当に美しい、自然の中の色のように。

流石に、、この度はもう自分が好きだと思って尚且つ手の届くものはないだろーと
物見遊山で出かけたのであるが、それがあるんだなー、とほほ。
個人的に、これ部屋に掛けて眺めたいなーって思ったのが、
不染鉄の主題としてはマイナーなものだったので、見たら手が届きそうであった(笑)。
まぁ、まだ今ならメジャーな主題のんを大金叩いて買うほうが
結果的におトクなのかもしれないが、そういう理由で買う訳じゃないしね。
不染鉄の画だ、って意識しないで見て、佳い画だなぁ、、って思ったので、
やっぱりすごい人なんだな、って益々思った。
ま、いろいろ言っても結局好みの問題ですね。
(3月31日(土)まで)

せっかくなので、ふるもの画像も載せよう。

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ぼろっちい、絵の残骸を手に入れた。
のんちゃん曰く、「なんで人が上のほうに偏ってんだ?」
それはね、残骸だからです(笑)。
(でもこの残骸の非対称の構図、上手く額装してると思うけどな。)
写真撮るのに硝子外したら、それはもう、切れ端なものだった!
なんか藁半紙みたいな紙で、和紙というより再生紙?
汚いような絵具だし、こりゃいかんかなーとか思ったケド、、

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三毛庵田んぼの画が好きなのね。
これ田んぼを見回っている図なのかなー。

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それにこの男子、好い男ではありませぬかー。
しょもない売り絵より、じゅうぶん愉しめると思うけどな。

(↓お庭の記録)

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去年植えた玄海ツツジが開花!
実家の庭ではエゾムラサキツツジが咲いて春が始まる。
あれが幼い時から好きだったので、去年よく似た玄海ツツジを植えてみた。
どちらも有鱗片シャクナゲの一種だったと思う。
だけどちゃんと夏越しして咲いた花は嬉しいな~。
三毛庵の庭でも木に咲く春の始まりの花。

今日は午前中にメジロのつがいが来て、
午後からはいつものジョウビタキのオスがきた。
なぜ「いつもの」というかというと、ジョウビタキには縄張りがあるそうで、
いつも一羽でくるから、きっとおんなじのんが縄張りを作っているんだと思う。
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2018/01/02.Tue

コレクターのこと (平福百穂 ペン画 「天保九如」)

なんだか急に気持ちがどんより曇って、
あぁきっと、と思って天気図を見ると苦手なパターンであった。
今宵はスーパームーンであるとのんちゃんも言っていたし、、
自然に逆らえない三毛庵は調子が悪くて眠れなくなったのだ。
とほほ、背中も強張って嫌になるほど痛い。
そんなこんなでぐだぐだのままいるのは腹が立つので、
起きてブログを書くことに。。

暮れに額縁を替えたりして撮っておいた画像から、、
太陽と月が描かれた不思議な山水であるが、
このような画題を「天保九如」というそうである。
(中国由来の吉祥の画題ということなので、ご興味のある方は検索を。)

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平福百穂のペン画ということで、古い額縁に入っていたのを綺麗にした。

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近所の額縁屋さんで手頃に仕立てただけであるけど、
マットの色を合わせたりするのは愉しい。
もう一回り大きい額縁でゆったり作ればもっと雰囲気が出るかなとも思ったが、
織部床風のニッチに掛けたかったので小さめに作った。

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線描が好きな三毛庵であるので、飽かず眺めるのだ。
(でも線描というのはボロが出やすい分野であるとおもう。)
詰まらない工芸画より、ずっと嬉しい。
(いつか本物と見分けがつかない工芸画ができたらやだなとおもう。)

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平福百穂はずいぶん昔、秋田の角館に行ったときに知った画家だ。
そのときは絵を所有するということを考えたこともなく、漫然と眺めただけだった。
絵は見るものではなく買うものだ、ということを知っている三毛庵であるが、
そう思い知るにはその人なりに時が満ちることが大切で、
角館に行った頃の自分に何かを言っても無駄であったろうと思う。
だからほかの人にも絵を買えなどとは言わないけれど、
欲しいと思ったときには買って「経験」することが大切だと思う。
・・・って、きっと三毛庵いつも欲しそうにしてるんだろうなぁ。。
売り手の方にもよく見抜かれています(笑)。

三毛庵は骨董について、いろんな人からコレクターと思われているが、
集めている訳じゃないからか、あまりそういう自覚が持てない。
ふるものが好きなだけだ。
でも絵について言えば、自分でもコレクターというような気持ちが少し。。
世間的にすごいものを持っている訳でもないのになんでかなー。
なんだかね、自分的にはすごいものを持っている気でいるというのか、
自分じゃなきゃこういうコレクションはできないかな、って思う気持ちが少しあって、
そういう意味でコレクターの自覚が芽生えるのだと思う。
それでも、、集めたというよりも集まった、というのが正直なところだけれど。
(なかなか勇気がなく、大半はここでお見せできていないのだが。。)

だけどなー、そういう風にしてできた洲之内コレクションのようなのが、
本当のコレクションっていうんじゃないのかな(引き合いに出すのは恐れ多いが)。
そういう個性の感じられる、個人コレクションの展覧会とかやってくれないかなー。
今どきは教科書みたいな展覧会じゃなく、そういうマニアックなやつ、
いいとおもうんだけどなー。

真夜中で何を書いているのか分からなくなってきたのでこのへんで。。

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2017/09/16.Sat

仙人掌 (不染鉄展覧会と万古焼豆皿)

仙人掌とは、サボテンを指すのだそうだ。

帝展出品作だけあって、とても大きな画。
二階建ての民家の前に庭が拡がる。
白いペンキを塗った平べったい温室(園芸店であった私の祖父の
ところにもあって、それはフレームと呼ばれていた)に、
所狭しといろいろの姿かたちをした多肉、サボテンが並んでいる。
フレームの周りにもいろいろの草花がある。
朝顔の鉢もあるし、実が成っているのはどうやらイチジクのようである。
季節は晩夏であろうか。

不染鉄の戦前(昭和8年)の帝展入選作品が、奈良県内でみつかったそうである。
東京ステーションギャラリーのときには「海村」がみつかった。
それを楽しみに奈良県立美術館に行くと、「仙人掌」が展示されていたのだった。
大きな画面に、サボテンが沢山、ひとつひとつこまごまと違いが描き分けられている。
きっと、ほんとうにそういう姿のものを育てていたのだろう。
そういえば、ちょっとした水辺の風景でも、葦であったり沢潟であったり、
不染鉄の絵は、ちゃんと対象を捉えて描いてある。
(写実などというより、「あぁ、そこに沢潟が生えている」と彼が思ったそのままが
描かれてあるといった具合だ。)
サボテンの画には小さな字で、市でサボテンを見かけるとひとつずつ買ってきて、
温室にペンキを塗り、冬は防寒したりしながら丹精したことが描かれている。
絵に文章を描き込むのは彼の癖だが、絵巻物やら画賛など、
日本画として寧ろ正統的なことなのかもしれない。
でも、ちまちまとした丸字で帝展作品に描き込んでしまうというのは、やっぱり不思議である。

それにしても美しい画だ。
たくさんの小さなサボテンの緑青が目に沁みる。
世の中の画には、このように描けば美しい、というような
決まりごとが凡そあり、この画はそれに属しているわけでもないというのに、
サボテンのひとつひとつに毎日彼が満ち足りた気持ちを抱いたであろうことが、
画を見る私に伝わってくる。
緑青の同じ色でひたすらいろいろの草花を並べて、
目に映る緑がどれほど美しいかを言いたかったのだろうか。
(その後に戦争の時代がやってきて、このような暮らしが
破壊されたであろうことなど想像ができないほどだ。)
この画から伝わってくる、彼のサボテンへの細やかでマニアックな心の動きは、
何か彼の画の秘密を物語っているように思う。
そうして、ひとつひとつのサボテンを描き切る彼の画力も密かに見逃せない。
鍛錬のない画家は画家とは呼べない。でも計算とテクニックがどれだけ凄くても
それだけでは画家にはなれない。(というのは、自分の考えであるけれども。)
自分がこころを動かされたものを見える形にするために技術はあるのだもの。
私は今回の展覧会で、ようやっと彼の姿の一部が見えた気がする。
納得するまで、あるいは心を動かされる都度、同じ主題を描いている。
でも心が動いているから、それらはひとつとして同じものではない。
そして、それらを表現するために実は過去の自分のテクニックには拘らない。
私が思っていたよりも不染鉄という画家はずっと革新的なのであった。
(不染鉄のことをヘタウマの系列で捉える人も居ない訳ではないようだれど、
私の実感は違う。また、素朴と捉える向きもあるようだけれど、それも違う。)

先日、奈良県立美術館の松川綾子学芸員の解説を聞き、
そういった彼の姿をおぼろげながらに捉えることができたのは、
氏の丁寧な仕事に拠るところが大きいことを知った。
不染鉄とは?という問いを日々投げかけながらの仕事であったのだろう。

また、主催の産経新聞社の方は、偶然21年前の奈良での展覧会を見て、
いつか不染鉄の展覧会をやりたい、そう思ってきたそうである。
この展覧会はそういった不染鉄を愛した方々の熱意があって実現したのであった。
東京では2万8千人の動員であったという。
故郷東京では、展覧会開催時には無名に等しくなっていたのだから、
この数は、真に彼の画を見たいと思った人の数なのだ。
奈良の地へもこのような人たちが足を運んでくれることを願っている。
(東京で観た皆さまも、仙人掌を観に、是非秋の奈良へとお越しください。)

「没後40年 幻の画家 不染鉄」展
2017年9月9日(土)~11月5日(日) 奈良県立美術館

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さて、いつものように画がないので、ふるもの画像をアップする。
見た途端に美しい色に魅入られた。

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珉平にはないようなお色だな、と思うと万古焼なのだそうである。
この色にはどうしても引っかかって、それはなんだろうと
思っていたのだけれど、仙人掌の画を見て思い出した。
ああ、これって美しい緑青のお色、描かれているサボテンと同じ色。

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そうして、何を思い出そうとしていたのかようやく気付いた、
ああ、あの不染鉄の図録の表紙、あれって緑青色だったんだ!!
(図録はしっかりゲットした。印刷ではどうしても彼の画の繊細な表現は
伝わらないとはいえ、解説も豊富な貴重な資料である。)

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(長径:6.8cm)

おまけ、胡桃と干葡萄のパンも焼いてみた♪
(このところ恐ろしく仕事漬けであるが、美味しいパンはちょっとした
息抜きをもたらしてくれる。)
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2017/07/10.Mon

吾愛夏日長 (不染鉄展)

内覧会に行ってから、書こうと思い乍らなんだか眠くて昼寝ばかりしていた。
不染鉄の展覧会「没後40年 幻の画家 不染鉄」のことである。
7/16の日曜美術館のアートシーンでも紹介されるらしい。
(三毛庵的には特集を組んでもらいたい勢いなのであるけれども。)
不染鉄の特異な経歴や独自の視点については、
もう沢山の方が書かれているので書くことはない。では何を?

鬱だった6年間について、三毛庵は経験のうち、などと思うことはできなかった。
目が覚めると昨日と同じく希望がないことに絶望する日々、
そのことを肯定することは今も難しい。
でも、鬱から回復したとき、見える世界が何もかも美しく、
一瞬一瞬が輝いているのに三毛庵は日々驚いたのだ。
そんなある日偶然見かけた不染鉄の絵、
それにはその「何もかも」が描かれていることに驚いたのである。
思えば、そのことは無為な6年間を吹き飛ばすほどの強い衝撃なのだった。

鬱より後の三毛庵は、自分に背くようなことをだんだんとしなくなった。
そうしていつの間にか、毎日が美しいと思える暮し方が傍にあるのだった。
考えてみれば不染鉄は、最初から自分に背く生き方などしなかったのだ。
だから彼の眼に見えるものは美しく、何もかもが驚きに満ちていた。
私が無為だと思った6年間はそのことを肝に銘じるための年月だったのだろうか。

それからの私は、不染鉄の絵の虜になった訳を知ろうと
駆けずり回ったのである。
絵は好きではあったけれど、それまでは客観的に美しいとかそうでないとかを
ただ「考えて」いたように思う。
今は、「美しい」とおもうこころに「客観」というものがあるのかどうかが分からない。
自分にとって絵は(不染鉄は、と言ってもいい)「そう見えるもの」、「主観」なのである。
好きだなと思う画家の絵は、見ていると自分の眼がその画家の眼に
すり替わったようになり、普段見えていなかったいろいろが見えるのである。
狭い自分の固定観念が見せる世界を、画家の眼は一瞬にして飛び越える。
今はもう、鬱が回復した頃ほどには世界はきらきらしていない。
けれどそうやって画家の眼を借りたときには、再び世界は眩しくなるのである。
若いころには歳をとれば感性もすり減るのかと思っていたけれど、
世界が瑞々しくは見えなくなったときに導いてくれるのが画家であり、
そのときに歳を経た自分の経験が眼の前で美しく蘇るものなのだと知ったのである。
(絵について書いた本は多いが、そういう見るときのこころの動きについて
書かれている本は少なく、洲之内徹などはなかで夢中で読んだものだ。)

個人的なことばかり書いてさっぱり展覧会の説明にはなっていない。
なので自分のための備忘録として、思ったことを書いておく。

最初の「暮色有情」「夕月夜」「月夜」。
このころから、彼の「人恋しい」ような作風がよく出ている。

「秋声」「林間」
ほ、欲しい。。(お家好き三毛庵。)

「雪之家」
可愛らしい雪景色の家。
法隆寺蔵ということで、なんだか納得した。
法隆寺の宝物ってほんとうに愛らしいものが多いけれど、
不染鉄の絵も持っていて、それがこんなに愛らしいことに感激する。

代表作「山海図絵」には富士の向うに日本海まで描かれているが、
それが奇をてらったものでないことは、この絵の契機となった
旅のスケッチ(「伊豆風景」)で分かる。
スケッチというのに、このときにもう富士の向こうに日本海を描いているのだ。
スケッチしているうちに、旅した遥か日本海が思い出されたり、
大島で暮らしたころ海に潜ってみたお魚が思い出されたり、
彼のこころの動きがそのまま描かれているのである。
ほんとうに、山海図絵は彼の世界(コスモス)そのものである。

「思出之記」(第8回帝展出品作)
今回新発見のこの絵巻が圧巻。
不染鉄は、そのあたたかな作風のせいであまり気づかないのであるが、
実に腕が確かなのである。
上手い画家というのは要注意なものであるが、不染鉄の場合寧ろそのことに気づかない。
京都の絵専時代に一遍上人絵伝を模写していたというだけあって、
死んでいる線がないと思う。
まぁ、そういうことは枝葉のことではあるけれども、、。
ともかくも、この新発見を見ることができて感激!である。

さて、まだ展覧会の始めのほうしか書けていないのだけれど、
今日は眠くなってきたのでこれぐらいにする。
できたらまた続きを記録したいものだけれど。。

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お買い得球根セットに入っていた百合が咲き始める七月。

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モスローズのサレットが返り咲く。
薔薇は春に咲けば十分な三毛庵であるが、
こんなふうにたまに咲いてくれるのも無性に愛らしいものである。
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