2017/09/30.Sat

キッチンというところ (バルーチ族のトライバル・ラグ)

気付けば2週間も経っている三毛庵である。
公私共々にご多忙であったが、それも今日ひと段落。。
つやつやの新米にすき焼きをたらふく食し、
眠気を催してばったりと倒れ込み仮眠を取る・・・キッチンにて。。
・・・なんでキッチンなんだ!!
って、それは猫のように寝心地のいい場所を知っているからである。
三毛庵、キッチンにラグを敷いたのだ。

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のんちゃんにキッチンマットでも敷けば?と言われるも
強硬に拒否し続けて早一年、ついに改宗?
違うのだ、ようやくこれならば・・という素晴らしいラグを発見したのだ。
台所仕事を愉しみにするかやっつけにするかは自分次第だが、
汚してもいいというような気持ちでマットを敷いて、
その上で仕事をすることを良しとしない、三毛庵なのであった。
朝に夕に踏みしめて立つのであるから、
心地良いものであってほしかったのだ。
夏場は素足で踏みたい、ならば小さなものでは動き回るときに不便、
そう思うとキッチンの床にできるだけ合うサイズとなるが、
良質の手織りのウールなどと注文をつけるとそうそうはない。
実はこれも表記のサイズが床より大きく、
入らなかったら廊下に敷くことにして手に入れたものである。
結果、ご縁があったようでなんと我が家のキッチンぴったりサイズ!!

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これは・・・4、50年ほど経たオールドのトライバル・ラグなのである。
アフガニスタン近郊の遊牧民、バルーチ族のもの。
昔のものはウールの質もよろしくて、それにコンディションも上々だったので、
キッチンに敷くのは少々勇気が要ったけれど、汚さないようにすればよいのである。
所作を丁寧にしたり、油を使うときには上にタオルを敷いたりしながら使っている。
(そして疲れるとごろ寝もする。)
大人暮らしならではの贅沢である。
ウールは使うほど艶が増すものであるので、いい感じに古びることを愉しみに。。

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1年前、新居での暮らしにと手に入れたラグもオールドのバルーチだった。
それは本当に上質で、のんちゃんはいつもそこでぐっすりお昼寝している。
遊牧民の作る絨毯というのは、真にごろ寝するためのものである。
良いウールは艶やかで呼吸し、体に心地よく、芯からリラックスできる。
絨毯というのは本来そういうものなのだと、使ってみて初めて知った。

トライバル・ラグ(部族の絨毯)には、中近東を中心に様々な部族のものがあるが、
1年使ってみて、バルーチにはどうも心惹かれるように思う。
湿潤な日本にいて、バルーチ族のものを理解できるのかと言えば分からないけれど、
控えめで温厚で、芳醇な自然観を湛えたラグとはなんだか気持ちが通うのである。
このラグも地味なようでいて、インディゴブルーに茄子紺を散らし、臙脂と組み合わせ、
綺麗な紅色を差したりして、眺めて触れてこころ癒される。
(よい画像を撮る技術がなくて申し訳ない・・・。)

そんなこんなで、多忙ななかもラグに癒されながらの暮らしであったが
今年も栗の季節♪

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お気に入り、丹波篠山の清明堂さんの栗おはぎ。

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こちらは先日食したお芋のロールケーキ、ハロウィンバージョン!

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お庭では今夕顔(ヨルガオ)が咲いている。
(植えたら巨大化してのんちゃんのひんしゅくを買っているが・・・。)
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2017/09/16.Sat

仙人掌 (不染鉄展覧会と万古焼豆皿)

仙人掌とは、サボテンを指すのだそうだ。

帝展出品作だけあって、とても大きな画。
二階建ての民家の前に庭が拡がる。
白いペンキを塗った平べったい温室(園芸店であった私の祖父の
ところにもあって、それはフレームと呼ばれていた)に、
所狭しといろいろの姿かたちをした多肉、サボテンが並んでいる。
フレームの周りにもいろいろの草花がある。
朝顔の鉢もあるし、実が成っているのはどうやらイチジクのようである。
季節は晩夏であろうか。

不染鉄の戦前(昭和8年)の帝展入選作品が、奈良県内でみつかったそうである。
東京ステーションギャラリーのときには「海村」がみつかった。
それを楽しみに奈良県立美術館に行くと、「仙人掌」が展示されていたのだった。
大きな画面に、サボテンが沢山、ひとつひとつこまごまと違いが描き分けられている。
きっと、ほんとうにそういう姿のものを育てていたのだろう。
そういえば、ちょっとした水辺の風景でも、葦であったり沢潟であったり、
不染鉄の絵は、ちゃんと対象を捉えて描いてある。
(写実などというより、「あぁ、そこに沢潟が生えている」と彼が思ったそのままが
描かれてあるといった具合だ。)
サボテンの画には小さな字で、市でサボテンを見かけるとひとつずつ買ってきて、
温室にペンキを塗り、冬は防寒したりしながら丹精したことが描かれている。
絵に文章を描き込むのは彼の癖だが、絵巻物やら画賛など、
日本画として寧ろ正統的なことなのかもしれない。
でも、ちまちまとした丸字で帝展作品に描き込んでしまうというのは、やっぱり不思議である。

それにしても美しい画だ。
たくさんの小さなサボテンの緑青が目に沁みる。
世の中の画には、このように描けば美しい、というような
決まりごとが凡そあり、この画はそれに属しているわけでもないというのに、
サボテンのひとつひとつに毎日彼が満ち足りた気持ちを抱いたであろうことが、
画を見る私に伝わってくる。
緑青の同じ色でひたすらいろいろの草花を並べて、
目に映る緑がどれほど美しいかを言いたかったのだろうか。
(その後に戦争の時代がやってきて、このような暮らしが
破壊されたであろうことなど想像ができないほどだ。)
この画から伝わってくる、彼のサボテンへの細やかでマニアックな心の動きは、
何か彼の画の秘密を物語っているように思う。
そうして、ひとつひとつのサボテンを描き切る彼の画力も密かに見逃せない。
鍛錬のない画家は画家とは呼べない。でも計算とテクニックがどれだけ凄くても
それだけでは画家にはなれない。(というのは、自分の考えであるけれども。)
自分がこころを動かされたものを見える形にするために技術はあるのだもの。
私は今回の展覧会で、ようやっと彼の姿の一部が見えた気がする。
納得するまで、あるいは心を動かされる都度、同じ主題を描いている。
でも心が動いているから、それらはひとつとして同じものではない。
そして、それらを表現するために実は過去の自分のテクニックには拘らない。
私が思っていたよりも不染鉄という画家はずっと革新的なのであった。
(不染鉄のことをヘタウマの系列で捉える人も居ない訳ではないようだれど、
私の実感は違う。また、素朴と捉える向きもあるようだけれど、それも違う。)

先日、奈良県立美術館の松川綾子学芸員の解説を聞き、
そういった彼の姿をおぼろげながらに捉えることができたのは、
氏の丁寧な仕事に拠るところが大きいことを知った。
不染鉄とは?という問いを日々投げかけながらの仕事であったのだろう。

また、主催の産経新聞社の方は、偶然21年前の奈良での展覧会を見て、
いつか不染鉄の展覧会をやりたい、そう思ってきたそうである。
この展覧会はそういった不染鉄を愛した方々の熱意があって実現したのであった。
東京では2万8千人の動員であったという。
故郷東京では、展覧会開催時には無名に等しくなっていたのだから、
この数は、真に彼の画を見たいと思った人の数なのだ。
奈良の地へもこのような人たちが足を運んでくれることを願っている。
(東京で観た皆さまも、仙人掌を観に、是非秋の奈良へとお越しください。)

「没後40年 幻の画家 不染鉄」展
2017年9月9日(土)~11月5日(日) 奈良県立美術館

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さて、いつものように画がないので、ふるもの画像をアップする。
見た途端に美しい色に魅入られた。

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珉平にはないようなお色だな、と思うと万古焼なのだそうである。
この色にはどうしても引っかかって、それはなんだろうと
思っていたのだけれど、仙人掌の画を見て思い出した。
ああ、これって美しい緑青のお色、描かれているサボテンと同じ色。

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そうして、何を思い出そうとしていたのかようやく気付いた、
ああ、あの不染鉄の図録の表紙、あれって緑青色だったんだ!!
(図録はしっかりゲットした。印刷ではどうしても彼の画の繊細な表現は
伝わらないとはいえ、解説も豊富な貴重な資料である。)

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(長径:6.8cm)

おまけ、胡桃と干葡萄のパンも焼いてみた♪
(このところ恐ろしく仕事漬けであるが、美味しいパンはちょっとした
息抜きをもたらしてくれる。)
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2017/09/09.Sat

朝露とパン (伊万里色絵菊文小皿)

重陽、西の空に白んだ月。
朝露でも集めて飲もうかと思うほど早く目覚める。
これはずーっとお世話になっている薬の副作用のような気もしているが、
結局のところこれがいちばん合うようである。
ほんとうに少ない量の処方で、飲まなくてもあんまり
変わらないんじゃないかななどと思うこともあった。
先日、台風の影響があまりに酷くて、すこし処方を変えたところ
起き上れないほどの副作用を呈してびっくりした。
ずいぶん久しぶりに(おそらく2年ぐらい?)気分的にも鬱状態になって、
よくもこのような酷い時間を6年も過ごしたものだとさらにびっくりした。
経験者の自分でも健康な時は、鬱が当人にとってどれほど深刻なものか、
実感としてはなかなか得ることができないらしい。

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ホームベーカリーにセットしたパンが焼けるのを待ちながら、
机の上のお皿を眺める。
重陽の節句にぴったりな、菊の文様である。
たまに見かけるような文様ではあるのだが、昔の人は
どうして菊の花を後ろ向きに(額のほうから)描こうと思ったのだろう。

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(径11cm)

少し計り発色がくすんでいるけれど、それが却って
いつの間にか夏が去ったこの季節にあっている様な気がする。

新しいお家に入ってもうじき一年になる。
ふるいものたちのお蔭で、余所余所しい新居に越した、
というような違和感もなく暮らしている。
すこし変わったのかな、と思うのは三毛庵とお皿の関係性である。
良い意味で前ほどにはお皿に依存しなくなったように思う。
依存とは何かといえば、お皿があってようやく自分が成り立っていたような、
そういう危ういバランスを保っていたことだ。
今は、すこしずつ自分らしく暮らしが整って、お皿は過大な役割を
要求されることもなく、落ち着いた様子でその中に溶け込んでいる。

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(先日、赤福餅をお土産にいただいたので、さっそく食する。)

さて、そうこうしているうちに、朝ごパンが焼けた。
あれからミックス粉でパン・ド・ミを作って満足し、
満を持して週末、国産小麦粉でのパン焼きである。

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お、満足できるほどには膨らんでいる。
(国産小麦粉だと膨らみが少し足りなくなるらしいが、それほどでもない。)

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ひゃー自家製とは思えないほど旨そうであるぞ!
小麦粉は北海道産の「春よ来い」を使ってみた♪
だいたい一斤分に100円ぐらいかな、バターなどのその他材料や
電気代を入れると、市販の食パンよりは多少割高かもしれないけれど、
ちゃんとした材料の、美味しいパン!!
お皿以外のものにはそうそう投資をしない三毛庵であるが、
これはいいなぁ、家電って優秀だなぁ♪

ということで、美味しい珈琲を淹れて、ブルーベリーもちょびっと摘んで、
贅沢な朝食をいただいたのであった。
(ブルーベリー「パウダーブルー」はまだちょびちょび採れていて
粒はそれほど大きくはないが甘くて食味もよく、おススメ品種である。)
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2017/09/03.Sun

夢の間に間に (和硝子ソルト皿?)

去り行く台風15号のせいであろうか。
今日もこんこんとお昼寝なのであった。。

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夢から覚めたような青のお皿、和硝子なのだという。

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へーっ、こんなんもあるんかなぁ、、と思ったけれど、
ふと思って、豆ランプをそっと置くと、夢の続きのようだった。

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昼寝の合間のおやつ、大風呂敷。梨蜜が美味しい。
三田青磁のお皿に。

そろそろ梨の季節、和硝子の鉢でいただく。

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ほんとうに昼寝の合間に食べただけの日曜日。

さて、我が家にホームベーカリーがやってきた。
三毛庵パンやお菓子を作るような暮らし振りではないのだが、
朝パンを食べながら思ったのだ、これってずいぶんの添加物だなぁ、、と。
マーガリンが嫌でバターには変えたけど、パンにショートニング入ってるって。。
たまにはカップ麺も堪能する三毛庵、それほどこだわりが強いわけではないのだれど、
それでも毎朝食べるものがこれでいいのかと思った。
イマドキの家電に疎い三毛庵であるので、
ホームベーカリーで、市販の食パンとさほど変わらないお値段で
しかもタイマー予約で簡単にパンが焼けるなんて知らなかったのね~(笑)。
自分で作れば何が入っているか分かるものね!

という訳で、明日は焼き立てパンを食べるぞー!と思っていたら、
新しもん好きののんちゃんが、「今日の昼はサンドイッチにしよう♪」。
なるほどサンドイッチパンなら3時間で焼けるぞ!

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ほんとは国産小麦とかで作りたいなとか目論んでいるけれど、
初心者なのでまずはミックス粉で、、粉と水とイースト入れるだけ!!

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ハイ、簡単に焼けました♪お味はフツーに美味しい。
というか、市販の食パンよりは確実に美味しい。
この次は、パン・ド・ミーを焼きたいな。


不染鉄の展覧会が9/9より始まる。
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2017/09/02.Sat

贅沢な一日 (花籠)

大陸からの乾いた北風が吹き、このところお疲れがたまっていた三毛庵、
午後から心地よくお昼寝となった。

風を通した部屋では、惜しみながら切ったヒオウギが咲いた。
一日花を切って眺めるとは、自分で育ててこその贅沢である。
いろんな「贅沢」というものが巷には溢れているが、
家でできる「贅沢」ほど、贅沢なことはないだろう。
奇跡のように乾いた大陸の風に吹かれてのお昼寝も、まこと贅沢なのであった。

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(ヒオウギ、糸ススキ)

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庭では今年植えたモミジアオイの白がぽつりぽつりと咲き、
後は絶え間なく小花を咲かせる薔薇のブラッシュ・ノワゼットぐらい。
ススキの穂がだんだんと伸びてきた。
ヒオウギもひっそりとした場所に植えたので、切って生けるほうがよいかもしれない。

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去年求めて重宝している籠@

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こちらは求めたばかりの籠で、もう少し素朴な造り。
ブラッシュノワゼットの花など案外似合うかもしれない。
籠はあると重宝するが、家で気軽に使えるような素朴なものは
探すと案外ないので、みつけたときには手に入れる。

思い切って、小さいほうのフライパンを買い替えることにした。
テフロン加工が出始めたころ!のもので、よってもうテフロンは剥がれているのだ。。
まな板にしろ、大きいフライパンにしろ、学生時代から使っている様な気がする。
手になじんでいる道具というのは、そんなにいいものではなくとも
やはり愛着というのはあって悩ましかったが、
流石に耐用年数を越えた風情であるので、思い切ることにした。
買い替えるのならずっと使いたいのでテフロン加工ではなくて、
大きいフライパン同様に、鉄にしようと思い、日本橋の木屋から
山田工業所の打ち出しフライパンを取り寄せた。

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錆止めに椿油が塗られて油紙にくるまれてやってきた。

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この後下処理をして下ろした。
贅沢かな、とは思ったけれど、手に馴染んでくれれば
残りの人生ぐらい軽く使えそうだし、やっぱりきちんと作られたものって気持ちがよい。
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