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2018/08/22.Wed

夏の終わり (魚釣り少年のブロンズ像)

いつの間にか、5時に起きても夜は明けきっていない。
急に大陸の冷たく乾いた風が入って、久しぶりに暑いお茶をすすったかと思えば、
今朝はまた、台風のせいなのか暑さが戻っている。

北海道では、お盆のころには秋風が吹き始める。
夏が短く冬は長いので、学校の休みはどちらも25日間、
高校野球の決勝の頃にはもう学校が始まっているのだ。
子供のころの、切ない季節であった。

三毛庵、他所様のお子さんを可愛いと思うほど子供好きではないのであるが、
人格としての子供には敬意を払いたいとは思っている。
なので、見るからに可愛い子供の図、みたいのはあんまり信用していない。
だって、子供ってそんな薄っぺらじゃないでしょう。。
(確かに、どきっとさせられるほど可愛らしい瞬間はあるが。)

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(34cmぐらい)

だけど、これを見たときは、欲しくなっちゃったのねー。
なので聞いてみると、作者が分からないという。
でも仕入れに結構かかったとの由、そこそこのお値段がした。

IMG_3742.jpg

この少年のお顔は、大人が描くステレオタイプの子供の可愛らしさとは少し違う。
雑事にまみれて忘れて了う大人もいる、色鮮やかで深遠な世界を知っている賢い顔だ。

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子供もひとりの人格である、そう思うと猫可愛がりはよくないけれど、
これを見て、子供ってやっぱり可愛いなぁ・・・と思ってしまった。
この少年の左足、膝小僧の下のちょっとくぼんでいるところ、
ふっくらとした足の甲に足首に入った線・・・身体的にはとても幼くて、
子供は守るべき存在なのだ、って自然に思う。
これを作った大人は、きっと子供を尊重し、守ることのできた大人なのだろう。

IMG_3744.jpg

ちょっと見上げてみると、さっきまでの大人びた表情が一変して、幼くなる。
こういうところ、彫刻って佳いね。

ブロンズにも目が留まるようになったのは、小さいのを庭に置いたら愉しいかな、
などという野望を抱いたからであるが、ネットオークションで買いそびれたのは
きっとしんから欲しかった訳ではなかったのだろう。
結局うさぎシステム@でお茶を濁し、マサル@を庭守りに置いたので、
ブロンズ像のことは半ば忘れていた。
そんなフラットなときにこそ、ほんとうに欲しいものって現れるものだ。
だけど買ったことがないものって、ほんとうに欲しいかが分からなくなったり、
そういうときほど「買っとけばいいや」というようなお値段ではなかったりで、
重要な判断を迫られることになる(笑)。
この度は買う勇気を持ててよかったことである。
いままであまりピンときていなかったブロンズのよさが少しわかった気がするし、
何よりこの少年がとても好きだ。

IMG_3732.jpg

外のうさぎシステムのところに置いてみた。
サイズ感はほどよいのであるが、うさぎシステムは庭の通路にあるので
場所が狭いせいか見下ろす感じになってしまいイマイチ勿体ない感じがする。

IMG_3734.jpg

なので引きで見られる場所に置いてみた。(とりあえず直置き。)
可愛いけど・・・なんか庭にちっさいおじさんが出現したみたいだ。。

お庭にほんものを置くのは悪くないけど、当面はお家で楽しもう。

因みにネットで魚釣り少年のブロンズを探すと、野外に設置されたものが数件出てくる。
なんかお決まりのモチーフなのかな?
これに銘がないのは、そういうもののための習作なのかとも思ったけれど、、。

<庭の記録>
タマアジサイのまんまるの蕾にはかねてより興味があったが、
開花が花の少ない真夏であると知って、楽しみに植えておいた。
葉っぱがとても美味しいらしく、毛虫にばりばり食われたのは衝撃であったが、
毛虫のシーズンが終わってどうにか持ち直して安堵した。

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文字通り玉のような蕾が割れ始める。

IMG_3738.jpg

半テマリタマアジサイ、という名で売られていたもので、
装飾花と両性花の色の混じり具合が涼しげなのが気に入って二株植えた。

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今は咲き進んでこんな風にほわっとしている。
葉っぱが結構デカいので、ヤマアジサイよりさらに草っぽい感じであるが、
うちはそもそも草っぽい庭なので、けっこう気に入っている。

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きっと同じ個体の挿し芽なのだと思うのであるが、
もう一株は7月の下旬には咲き始めて、いまはもう緑化している。
植え場所の日照の加減なのかな?

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近所のホームセンターからセールの案内が来て、生活用品を買い足す。
10%引きという真夏の園芸コーナーにはそんなに商品はないのであるが、
サギ草「銀河」(斑入りの葉っぱの品種)があって、涼しげだったので買ってみた。
(植えっぱなしガーデナーなので、来年も咲かせる自信はあまりないのだが。)
切り戻したアジサイが捨て値であったので、つい一鉢買ってしまった。。
(捨て値からの10%引きという鬼の攻撃)
最近西洋アジサイは品種改良が素晴らしく、興味をそそるものはいっぱいあるのだが、
いっぱい植えたい三毛庵庭では場所を食うのと、ちょっと豪華すぎることが多いので
控えていたんだけれど・・・一体どこに植えればいいんだ!?
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2018/08/13.Mon

能茶山考 (染付オモダカ文型打深皿)

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暑い日はそうめんやらうどんやらで済ませてしまうが、
ちょっとぐらい栄養も・・・と気休めの具材を投入する。
手に入れたばかりのゴキゲンなおに盛れば、至福の「うちお昼」である。

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(径20.5cm)

7寸あって深さもあって手取りも安心、そして2枚組というのが用途が広がる。
欠点といえば磁貫があるところで、結構焼けてはいるので不安感はないけれど、
あんまり汁がしみ込むようなものは注意が必要かもしれぬ。

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伸びやかな染付が分かりやすく三毛庵好みであるのだが、
骨董をしている人なら、少々疑問を持たれるのではないかと思う、、
「こんなおあったっけ?」と。
三毛庵もあれ?って思ったのね、古いと思うけどフシギなおだな、って。
なんだか今どきのセンスのよい作家さんが作ったような、「新しさ」がある。
時代の箱には「今里 弐」って書いてあったけど・・・。

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裏もなかなかキュートだけれど、伊万里にもありそうなのにビミョーに違う。
(ちなみに畳付きが真っ赤に焼けているところもこれの特色のようである。)

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ハイ、銘があったよ「茶山」って書いてる。
つまりこれは高知の焼き物、「能茶山焼」ということになるではないか!
土佐藩の御用窯であったが、この「角に茶山」は払い下げ後の幕末頃のものらしい。
(緋色が出ているのも能茶山焼の特徴であるらしい。)
でも三毛庵にとって衝撃的だったのは、能茶山焼がこのようなユニークなデザインセンスの
ものを作っていたということだ。
こういうものってネットではさっぱり出てこないのだけれど、周知の事実なのかな?
江戸後期には、伊万里のビジネスモデルに目をつけていろいろな窯が磁器を焼いているけれど、
例えば九谷の若杉窯の染付などを見ても、いままで(中央で?)言われがちだった、
「伊万里の模倣」というのはちょっと違うんじゃないかと思うものがたくさんある。
能茶山焼も御用窯時代は優品を焼いたというけれど、
この秀逸なデザインのおを見た三毛庵は、中央目線で書かれていることって
実はずいぶん違うんじゃないかなぁ、って思った。
江戸時代の文化っていうのは今よりもっと豊かなものだったと思うのだ。

それでね、三毛庵的にびっくりしたのは、、

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じゃあ、このお皿@あのお皿@も能茶山焼ではないのか、ということである。
銘がなく、でも伊万里ではないと言われ、じゃあどこならこんなセンスのものを作れたのか、
ということがずっとずっと疑問だったのだが、これが答え?(もしかして新発見か!(笑))
見比べると大きいお皿が焼が甘いせいか質感は違うのだけれど、
これって同じ人のセンスを感じたりはしませぬか?(図柄が三方に広がるところとか。)
型打ちを採用しているところ、分厚い高台の造り、緋色も小皿の一部には出ていて、
どうしてもそういう風に思えるのん。
あー久しぶりに妄想を膨らませてゴキゲンな三毛庵。

前回、小皿の窯についての疑問を書いたばかりであったけれど、
あまり余計なことを考えずにいるときって、こういう符号があったりするのが不思議である。
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ものたち | Comments(2)
2018/08/12.Sun

夜更けにだらだら (紙刷印判微塵に富士文変形皿)

台風14号の発生のせいなのか、午後からは正体不明になっていた三毛庵である。
ずっと忙しかったこともあり、ふるもののことも上手く考えられない日々が続いた。
でもそれは、忙しかったというより、自分の中でちいさな変化が起こっていたからのように思う。
結果的に何か好みが変わったかというとそんなこともないのだけれど、
三毛庵なかなかの小市民なので、自分のなかの詰まらないジョーシキの殻を破るのが大変なのだ。。

自分の中でなんとなく納得のいく答えが見つかってから、
特に欲どしくしている訳でもないのに、自分にとって面白いと思えるものがやってくるのはフシギである。
いったい、ふるものの神さまは、どうやってものの預かり主を決めるのであろう。

いろいろ書きたいことはあるのだけれど、画像もないし、夜中であるのでまたにする。
ひとつ気になっているのは、初代武腰善平のことで、この人は九谷庄三の高弟であるが、
善平も小野窯に参加していた?というのは史実としてあるのだろうか。
不勉強な三毛庵であるので、庄三には小野窯時代があるのは知っているものの、
善平がどうであったかは知らないのである。
でも、あぁこれってきっと善平だよなぁ、、って思うことがあって、益々この人を尊敬するのであった。


画像がないのはあまりに寂しいので、猛暑における手抜きメニューを。。
(本文とは全く関係がなくてスイマセン。)

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北海道の美味しい帆立、メバルのお造りと一緒に。

IMG_3718.jpg

紙刷り印判の微塵がよろしい。(雪景色?な富士山も涼しげだしね!)
使いやすいサイズで、変形なのもおかずを盛りあげてくれて重宝である。

今ではこのような雑器も作れないだろうなと思う。
今の時代じゃなきゃ作れない、100年後も大切にされるものってなんだろうな。
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ものたち | Comments(0)
2018/08/04.Sat

色眼鏡を外す (安南瑠璃釉鎬文合子)

「それを手に取られた方は今までいらっしゃいませんでしたが・・・」
と顔見知りのお店の人が言うのである。
(という話をのんちゃんにしたら、「じゃあ頂戴!って言っとけ。」と笑われた。)
お店の人は着眼点をほめてくれたのであると思いたいのであるが、
誰もこのみそっかすに目を留めなかったのは尤もな話で、
小綺麗なお道具類の多いお店のことであったのだ。
客層が違えば目に留まらないのは当然だし、傾向の異なるものに
混じっていると、ものの個性というのは気配を消してしまうのはよくあることだ。

IMG_3716.jpg
(4cm弱)

東南アジアの焼き物だな、というのは分かったが、その方面には詳しくない。
でもあんがい見たことのないものだなぁ、と思ったのだ。
帰って調べて、おそらくは発掘の安南の合子であろうと察する。
安南の合子など珍しいものでも何でもないけれど、瑠璃釉っていうのはあったっけな?

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ちっちゃい栗坊主なところがこれの個性だと思うし、
個人的にも好ましいポイントである。安南というだけでは興味を引かなかっただろう。
「買う動機」にはいろいろあるが、好奇心をそそられることが肝心だ。

さて、この栗坊主に好奇心をそそられたポイントはまだ二つあった。
それは、瑠璃釉であることと鎬の文様であることだ。

巷ではシンプルな瑠璃釉の器などは評価が高いと思うのであるが、
確かに食卓を引き締める役割というのは分かるものの、
瑠璃釉の美しさってどういうことなのかなぁ、って考えることがあったのだ。
でもこれを見て腑に落ちたのである。
瑠璃釉の魅力について、「知識」しかなかった三毛庵であるが、
自分の体験として、「あぁこの釉薬の色、よいなぁ。」と、瑠璃釉を「発見」したのである。
同じことが鎬の文様についても言えた。
有名どころでは初期伊万里の鎬の盃、あれはたしかによいものだ。
でも、三毛庵はこの栗坊主の鎬をみて、鎬の魅力を「発見」したのである。

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この二つの発見はとてもうれしく、なので栗坊主を連れ帰った。
骨董を買う動機というのは人それぞれだけれど、
こんなふうに「気づく」、美的好奇心、知的好奇心を持てることがたいせつな三毛庵である。
(でも「美」って何なのか、いまだによくわかっちゃいないんだけれど。。)

たかだか栗坊主に何を大げさな、と思われるかもしれないけれど、
眼のきれいな子供ならともかくも、まぁまぁ古株になりつつあるこのトシでは、
「知識」という色眼鏡を外してものを見る、っていうことの
むつかしさを痛感することのほうが多いのであるからして。。
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