2014/05/17.Sat

土曜日の午後(九谷赤絵鳳凰文盃)

からりとした土曜日の午後、
窓を開け放って風にカーテンが揺らぐのを眺めながら、
グールドのゴールドベルク変奏曲をかけている。
さほど耳がいいとは言えない三毛庵であるが、
グールドのバッハは鬱闘病時代にお世話になった一枚である。
音楽さえ負担で聞けなかった頃があり、
少しだけ意欲が湧き始めたとき、唯一バッハは聞くことができたのだ。
不思議なものだなぁ・・・と思う。

さしたる予定もない土曜の午後、音楽を聴きながら思い出すのは
子供の頃習っていた、絵の教室のことである。
マイペースな三毛庵であるので、塾はおろか、お稽古事と呼ばれるものも
どうも無理だと親に思われていた節があるが(事実無理だったと思う)、
土曜の午後の絵の教室は、そんなマイペース三毛庵にも
居心地のいい場所であった。
先生の油絵の具の匂いとか、少しの音楽だけの静かなアトリエとか、
(それからちょっとした美味しいお菓子とか!)
今日のようにゆっくりと時間の流れる日には、ふと思い出す。
二歳違いの姉にコンプレックスを持って、自信なさ気に絵を描いていた
三毛庵が、自分の絵を描けるようになったのも思えば先生のおかげであった。
絵を描いたり、本を読んだり、お裁縫をしたりしていれば
それで満足な三毛庵であったので、
そのまま大人になれなかったのは至極ざんねんである。
ついでに言えば、そんなインドア派でおまけに車酔いが酷くて
旅行が苦手な三毛庵なのに、何故だか大人になったら遠くに行くと思っていた。
そうして、ほぼ異国と言える関西に来て、年中車で走り回っているのだから
不思議なものである。

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先日のぐるっとドライブでのめっけもん、九谷赤絵細描の盃である。
九谷焼は何故だかいつも懐かしい感じがする。
ものにもこころを通わせる三毛庵、土曜の午後の記憶のように、
いい匂いのするものにはぐいぐい吸い寄せられるのである。

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華やかに繊細に、菊と

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牡丹が描かれてあって、赤絵ならではの図案である。

20140512 019
(径6.5cm × 4.3cm)

この見込みが・・・

20140517 004

以前のこちら@と同手だったので、ちょっとうれしいめっけもんだったけど、
この度は立派なお値段がついていた
それでも、、
こんなものはそうそうは作れるものでもなく、
いっときこれの持ち主になるにはお安い御用というものかもしれない。
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ものたち | Comments(2)
Comment
No title
三毛庵さん、見込み同手の赤絵鳳凰文杯、ともにとてもいい作品ですね。
最近の赤絵の陶画工は、幾何学文様ばかりで絵が描けません。
福島武山師のように、絵が描けないと魅力が半減します。
幾何学文様は3年も修行すると、個人差もあるようですがそこそこ書けるようになります。幕末の宮本屋窯や小野窯赤絵は、適度に絵をちらしておりその筆致はとても素晴らしく、魅力的でたまりません。赤絵の若手陶画工の皆さんに、今一歩切磋琢磨と飛躍をお願いしたいものです。
Re: isamuisamu2さんへ
武山先生の赤絵は鶴を描いても生き生きしていて
私も好きです。
確かにisamuisamu2さんの仰るように、赤絵は「絵」が命ですね。
私もこの小さな盃が、花や鳥や色んな文様が
組み合わさって、絵物語のように一つの世界を
作っているのに驚かされます。
小さなものですが、大切にしたいです。

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