2014/11/25.Tue

お預かりものの記録 (古伊万里山水文香合?)

先日何気に書店に寄って見つけたこの本、
平成25年2月発行なのでずいぶん知らずにいたものであるが、
かの有名店ロンドンギャラリーの田島充さんの著書である。

P1190620.jpg
(「小さき 愛らしきもの」 生活の友社)

帯に白洲正子の名前を挙げているあたりが出版社の涙ぐましい努力を
感じるのであるが(きっと天国の白洲正子さんは鼻で笑っていると思ふ)、
でも良い本は手に取ってくれる人が多いに越したことないものね。
あの田島さんのお眼鏡にかなったちびこいものを見れるなんて、
本ってありがたいものである。
(東洋陶磁美術館の名誉館長、伊藤郁太郎氏も文を寄せておられる。)

本は順番に日本のもの、高麗・李朝のもの、中国のものと分かれていて、
その中でまた仏教美術ややきもの、木工などに分かれているが、
どれもちびっこであることが条件である。
仏教美術などは逆から見ると、中国から高麗を通じて日本に
伝来していく過程が辿れ、それぞれのお国での仏教の受容の姿が垣間見れる。
三毛庵はやきものがいちばん気になるので、それぞれの頁を見ると、
やっぱりお国柄が表れていて愉しい。
(とはいえ、これは日本人の眼による各国の美であるところがミソで、
例えば中国の人が美しいと感じる中国のものはもっと違ったりするのであろうが。)
日本のものは、優しくて控えめな華があり定まった型がないのに美しいなと思う。
こういうのを「和様」というのかな。
(日本のものでは、漆のものとかも素敵だった。)
高麗・朝鮮の美は民芸などの世界で語りつくされているので今更書かないけれど、
田島さんセレクトの珠玉の品がぎっしりであった。
中国のものは、ちびっこでも大陸の産というような力強さ・確かさを感じさせるものが多い。

今や「KAWAII」は世界共通の言葉となったらしいけれど、
この本は日本人のいう「小さきもの」「愛らしきもの」という美意識でいっぱいなのであった。
このような一流品は、なかなか平民には手が届かないかと思われるが、
眺めていると、美しいかたち、といったものがよくよく腑に落ちる。
これが小さいものでなくって、美術館クラスの大物であっても
やっぱりこういう「かたち」だな、と思えるものである。
(現にこの本に載っている10cm足らずのものは、もっと大きいものに感じられる。)
同じように考えると、がらくたの中にも時折よい「かたち」「すがた」を
持ったものはあって、なのでロンドンギャラリーでは買えなくっても、
こういう本で目を肥やせば、愛らしいがらくたは手に入るのである。

高麗・李朝のやきものなど、欲しいなぁ・・・と思えるものは
大方もう定まったお値段がついているので、なかなか手が届かない。
(この本にも欲しいものはいっぱいあった(笑))
だからという訳でもないけれど、日本に渡ってきた磁器、
伊万里にはまだまだ遊べる余地が残っていて、なかなかに魅力がある。
初期伊万里のようなブランドでなく、古伊万里でうれしいのん、
ないかなぁ・・・などと思う。

20141019 028
(撮みまでの高さ:約5.5cm)

なのでこれを見つけたときはぱくっと食いついた。
李朝の青花が和様化したらこんなふうになるのかなぁ・・・というちびっこ。
ユルい面取り?とかぽちっとしたつまみとか、ないようである「かたち」。
控えめな染付お気に入りの油壺@に通ずるものがある。

20141019 027

三毛庵も宝くじでも当たれば(って買わないことには当たらないのだが)、
自分のちびっこたちを本にして、現世でのささやかなるお預りものの記録などつくるのになぁ。。
(まぁ、田島さんのセレクト品に比べるべくもないのは百も承知であるが。)
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