2015/02/11.Wed

紀元節の風景 (和ガラスエナメル彩コップ)

近ごろ、祝日に旗を掲げる家を見ない。
小さいころ、そういう風景を目にして、ああ、お目出度い日なんだ、
そう思ったものであるが。
最近のハッピーマンデーも、祝日の「ハレ」の気分が無くなった
原因の一つであるような気がする。
(自分が大人になって、お休みを十把一絡げに
捉えるようになってしまったのが、いちばん大きな理由だろうけれど。)

建国記念の日は数少なくなってしまった、変動しない祝日で、
今年は本日水曜日、週なかにお休みがあるのは却って珍しく嬉しい。

P1190886.jpg

少なくとも大正、100年ぐらい経っていそうな和ガラスコップ
コップ型のエナメル彩はあんがいないものではあるらしい。
片方には帆掛け舟、もう片方には梅の咲く東屋が描かれていて、
東屋には小さな日の丸が掲げられている。
日の丸があるので、勝手に三毛庵、これは建国記念の日の前身、
紀元節の風景である、と妄想しているのであるが・・・。
(春分も戦前からある祝日のようで、その可能性もあるけれど。)

P1190878.jpg

売主曰く、もっと珍しい柄も一緒に出たそうなのであるが、
そんなことにはお構いなしに、三毛庵この2つのコップにぱくっと食いついた。
藁屋風景とか帆掛け舟にはいつも吸い寄せられるのである。

実は三毛庵的に、この二つの組み合わせには需要な意味がある。
大正期前後の近代絵画が好きで、それはどう説明すればいいのか
分からないのであるが、言えばあの、「近代絵画の青春期」なところ・・・。
なので、日本画でいえば国画創作協会の画家などは外せなく、
こちら@のスケッチを見つけたときは、誰が描いたかを知ろうとして、
笠岡の竹喬美術館に行ったりもした。
そんな訳で、小野竹喬の画にも随分と魅せられたりしたものだ。
彼の壮年期以降の完成された画は勿論素晴らしいものだけれど、
渡欧前に西洋に憧れつつ描いていた、いわゆる若描きの作品は、
発展途上故の輝くような切ないような美しさに満ちていて、
それはやっぱり近代絵画の青春としか言いようがない。
そんな中で度々登場するモチーフが、藁屋と帆掛け舟なのであった。
そのような、国画会系の画など持つことは敵わないにしても、
このコップを眺めながら、当時の画家たちに思いを馳せるのは自由である。

それにしても・・・、穏やかな今日祝日、ドライブしながら
ぼんやり車窓を眺めて、当時の画家たちが美しいと思ったような、
そういう風景とは、今の時代ではどういうものをいうのだろう、そう思った。
藁屋や帆掛け舟のレベルを遥かに超える人造物が巷に溢れ、
その風景がいったい美しいのか、さっぱり分からないのは、
三毛庵が最早真っ直ぐものを見れないせいなのであろうか。

P1190798.jpg
(高さ9.3cm)
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