2017/06/06.Tue

こころに響くもの (不染鉄展覧会&秦テルヲ展覧会)

ひと月後には、東京ステーションギャラリーで不染鉄の展覧会が始まる。

◆没後40年 幻の画家 不染鉄◆
平成29(2017)年7月1日(土)~8月27日(日) 東京ステーションギャラリー
平成29(2017)年9月9日(土)~11月5日(日) 奈良県立美術館

東京のパンフレットには、
「暮らしを愛し、世界(コスモス)を描いた。」とある。
なかなかよいキャッチコピーだ。

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いちおうパンフを載せてみたものの、不染鉄の絵は繊細でなかなか良さが伝わらない。
ご興味のある方は是非とも現物を見ていただきたいものである。

私が鬱を乗り越えて復職したのが平成20年(2008年)、
その年の今ごろに不染鉄の絵に出会い、病気を越えて目に映った
普段の暮らしの美しさが、そこに描かれているのに驚いたのである。
私は「絵は買うものだ」と知ったのであった。
念のためブログを漁ってみると(こういう時に日記というのは便利)、
2008年6月の記事にそのことを書いていた。
ずっと9年間、この展覧会を待ち望んでいたことになるが、
その9年は私が「絵好き」になって、自分なりに佳いと思うものを
少しずつ集めてきた9年間でもあった。
集めるというのは何か違うような気がする、、この絵と暮らしたい、と
切羽詰まって思ったものを傍に置いてきたのである。

9年というと、それなりに歳も取った訳で、
このごろは後先も顧みず絵やふるものを買うのはいかがなものか、と
世間一般のジョーシキが頭をもたげたりもする。
小市民なのである、肝が据わらない。
それでもやっぱり、いっときこれの主でありたい、
そう思うよな、絵やふるものが現れて、逡巡するのである。

不染鉄を知ってから、時折おじゃまする星野画廊さんから
展覧会の案内をいただいた。

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今年は秦(ハダ)テルヲの生誕130周年なのだという。
図録の表紙となっている「慈悲心鳥の唄」を入手され、
そのお披露目を兼ねての展覧会とのことで、さっそくおじゃました。
秦テルヲが本当の画家である、という認識はずっとあったが、
これまで実物をまとめてみる機会はなかった。
(京都国立近代美術館などで回顧展が行われたのが2003年であるので、
私が絵を買うようになる5年も前のことである。)
大正期の代表作の、闇の底から浮かび上がるような絵のイメージしか
なかったのであるが、結婚して子供が生まれた後半期の
(「慈悲心鳥の唄」もそれにあたる)仏画的な画も素晴らしく、
また、終戦の年に病死する直前に描かれた自画像には圧倒された。
これほど一生を通じ、目で見てこころで感じたものを
嘘偽りなく描き表わし続けるというのは、画家にとって並大抵のことではないと思う。

それにしても星野画廊さんは立派な図録を作られたものである。
秦テルヲについては、今は知ってる人はちゃんと知っているのであろうけど、
それでも損得を考えたら、こんなことはできないだろう。
絵を一枚買うにあたって悶々とする小市民な私など、
それで食べていくと肝を据えておられる
星野さんの爪の垢でも煎じて飲むべきかもしれない。
(いや、やっぱりそれは・・・勇気が要るな(笑)。)

「生誕130年 秦テルヲの生涯」 星野画廊
~2017年7月8日(土)  月曜・6/18(日)休廊
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