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2018/08/04.Sat

色眼鏡を外す (安南瑠璃釉鎬文合子)

「それを手に取られた方は今までいらっしゃいませんでしたが・・・」
と顔見知りのお店の人が言うのである。
(という話をのんちゃんにしたら、「じゃあ頂戴!って言っとけ。」と笑われた。)
お店の人は着眼点をほめてくれたのであると思いたいのであるが、
誰もこのみそっかすに目を留めなかったのは尤もな話で、
小綺麗なお道具類の多いお店のことであったのだ。
客層が違えば目に留まらないのは当然だし、傾向の異なるものに
混じっていると、ものの個性というのは気配を消してしまうのはよくあることだ。

IMG_3716.jpg
(4cm弱)

東南アジアの焼き物だな、というのは分かったが、その方面には詳しくない。
でもあんがい見たことのないものだなぁ、と思ったのだ。
帰って調べて、おそらくは発掘の安南の合子であろうと察する。
安南の合子など珍しいものでも何でもないけれど、瑠璃釉っていうのはあったっけな?

IMG_3714.jpg

ちっちゃい栗坊主なところがこれの個性だと思うし、
個人的にも好ましいポイントである。安南というだけでは興味を引かなかっただろう。
「買う動機」にはいろいろあるが、好奇心をそそられることが肝心だ。

さて、この栗坊主に好奇心をそそられたポイントはまだ二つあった。
それは、瑠璃釉であることと鎬の文様であることだ。

巷ではシンプルな瑠璃釉の器などは評価が高いと思うのであるが、
確かに食卓を引き締める役割というのは分かるものの、
瑠璃釉の美しさってどういうことなのかなぁ、って考えることがあったのだ。
でもこれを見て腑に落ちたのである。
瑠璃釉の魅力について、「知識」しかなかった三毛庵であるが、
自分の体験として、「あぁこの釉薬の色、よいなぁ。」と、瑠璃釉を「発見」したのである。
同じことが鎬の文様についても言えた。
有名どころでは初期伊万里の鎬の盃、あれはたしかによいものだ。
でも、三毛庵はこの栗坊主の鎬をみて、鎬の魅力を「発見」したのである。

IMG_3712.jpg

この二つの発見はとてもうれしく、なので栗坊主を連れ帰った。
骨董を買う動機というのは人それぞれだけれど、
こんなふうに「気づく」、美的好奇心、知的好奇心を持てることがたいせつな三毛庵である。
(でも「美」って何なのか、いまだによくわかっちゃいないんだけれど。。)

たかだか栗坊主に何を大げさな、と思われるかもしれないけれど、
眼のきれいな子供ならともかくも、まぁまぁ古株になりつつあるこのトシでは、
「知識」という色眼鏡を外してものを見る、っていうことの
むつかしさを痛感することのほうが多いのであるからして。。
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