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2010/09/29.Wed

展覧会はしご 「大阪に集まった12の名画」「モーリス・ユトリロ展」

9月26日(日)は、たまたま手にいれたチケットで展覧会はしごをしました。

その1:「大阪に集まった12の名画」 大阪歴史博物館 10月25日(月)迄
その2:「モーリス・ユトリロ展」 美術館「えき」KYOTO 10月17日(日)迄

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撮影可だった佐伯祐三「郵便配達夫」
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ちょっと反射がひどいですが、大阪歴史博物館からの大阪城の眺め。
引いて見ると、大阪城の石垣って立派なんだなぁ!と感慨。

その1:「大阪に集まった12の名画」 大阪歴史博物館

財政難で近代美術館の「箱」を作れないでいる大阪市のコレクションより、
名画をなんとたった12だけ展示するというなんとも贅沢というか大胆な?企画です。
私はあまり一度に沢山見ると疲れるほうなので全然OKですが。
(ユトリロのほうはあまりの量と百貨店特有の狭い展示でぐったりでしたからね。)

洋画のほうは日本人好みのするモディリアーニのほかに、ボッチョーニ、キリコ、
マグリット、ダリが出ていて、ふぅーん、こんなものを持っているんだ、と興味深く。。。
キリコやダリなどは、十代に「週間世界の美術」みたいなので見たときの印象が蘇ったりしました。
当時やはりモディリアーニは美しいフォルムと色彩の絵だな、と思って眺めた記憶が
ありますが、キリコなどは謎めいた絵から受け取る不安や時間感覚が
不安定な十代の感受性に訴えるものがあったことが蘇ります。
今はもう少し平和なものを好む私ですが、きれいな絵ばかりが人を助けるものではないですね。

今回見ていておもしろいなと思ったのは日本の洋画で、岸田劉生、佐伯祐三、小磯良平が
出品されていたことです。
 劉生「静物(湯呑と茶碗と林檎三つ)」 1917年
 佐伯「レストラン」 1927年、「煉瓦焼」「郵便配達夫」 1928年
 小磯「コスチューム」 1939年
並べるとおよそ10年毎、たった30年ほどのあいだの日本の代表的な洋画の変遷が見られます。
これらを描いた画家たちはその時代その時代に真正面から立ち向かって描いたのでしょう。
それを今の時代に振り返ってこうだというのはおこがましいことだとは思いますが、
絵そのもののよさとかいうこととはまた別に、「時代性」ということを強く考えさせられました。
劉生あたりからようやく始まった「日本人の描く洋画」というものが、たった30年で
これだけ変遷していく様を見ると、大正から昭和にかけての時代とはどんなものであったのかと
思うのです。
小磯洋平の「コスチューム」などは、あの名作「斉唱」に連なるような昭和(戦前)の
代表作だと思いますが、そのすぐ後に悲惨としか表すことの出来ない本土決戦があったことは
振り返っている側だから知っていることです。
それでも小磯良平の描く静かな室内の光に、最後の美しい時代をつい見てしまいます。
日本の近代絵画は洋画も日本画も好きな私ですが、そういう時代性や人間性といったものに
惹かれるのかもしれません。

その2:「モーリス・ユトリロ展」

正直に言うと、チケットが手に入ったから行ったようなものなのですが・・・。
ユトリロがそんなに日本人に受けるものとは知りませんでした、盛況でした。
百貨店開催のせいなのでしょうか?
それにしても出展数が激しく多く、集中力が続かなかったです。
佐伯→ユトリロを見て思うに、日本人のパリの下町風景のイメージは佐伯祐三の
世界からインスパイアされているのだな、ということでした。
なんかユトリロに冷淡みたいですが、ユトリロはやはりフランスの絵だなと。。。
でもやはり「白の時代」のものは素晴らしいものが多かったです。
後半のものには売り絵的なものも随分出ていたのではないでしょうか。
(どれも似たように見えてしまう私の目の至らなさかもしれません。。。)
解説にも随分、肉親の生活のため描かされ、アルコール欲しさのために描いていた、
とありました。
そういうことをいうと、フランスの人にとってアル中のユトリロは、長谷川利行みたいな
存在なのかなぁ、などと思ってみたりもするのですが、果たしてどうなんでしょう。
芸術大国のフランスでは、画家の生き方と絵を重ね合わせたりするのでしょうか?
(日本人はゴッホとかゴーギャンとか、その生き方にやけに惹かれたりしていますよね。)
などと下らない考えを思い浮かべつつさらに思ったのは、では長谷川利行にも
売り絵はたくさんあるのであろうか?という疑問です。
何しろ本当に押し売り的に絵を描いてお金をせびっていた人ですからね(笑)。
今まで見たことのある絵はよかったよな・・・それでも描かずにはいられない絵を
描いたのが長谷川利行なら、ユトリロは嫌々描かされていたことも多々あったのか?
放浪生活を送っていた人と、幽閉生活を送っていた人とを同じく議論するのは無理かな、
やっぱり。
フランス人におけるユトリロの存在、というものにどうも興味が沸いた日でした。

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