2010/09/29.Wed

秋草 (古伊万里色絵くらわんか手団扇文小皿)

blog 6314

お彼岸を過ぎて、ようやく初秋らしい気候になってきました。
関西は11月も中旬を過ぎないと紅葉の季節にはなりませんが、
虫が鳴いて、秋草が茫々としてくるような、この移り変わりの季節が好きです。
この小皿はそういう気分に沿う、私の秘蔵のがらくたの一枚です。
世間の数寄者のような色絵アレルギーのない私なので、再興九谷のような
いかにも骨董っぽい色絵も愉しむし、たまには緊張感溢れる古九谷などに魅せられたりも
するのですが、そういう中でもこの小皿は大好きなものです。
なんていうか、この楚々とした秋草の赤は、色絵かくあるべし、というものかと思います。
白洲正子さんが魯山人旧蔵のはげかかった古九谷の菖蒲文皿を「魯山人の泣き所」と
言っていたように思うのですが、まさにそういう感じでしょうか。
まあ、相手は古九谷ですが、こういうものをみると骨董は値段じゃないなぁ・・・と
思うのです。

くらわんか色絵のお皿は、お皿を重ねて焼くためにドーナツ型に釉剥ぎした見込みの部分に
色を塗って、それを色々な文様に工夫しているのが面白いのですが、
これは琳派も驚く団扇文に仕立て、赤を効かせて秋草を散らせているのが心憎いです。

この小皿を旅先で見つけたとき、私はようやく鬱からの回復の兆しが見えてきた頃で、
いい絵だなぁ・・・とは思ったのですが、そのときは買いそびれてしまったのでした。
実はとても安価だったので、今ならそんな風に迷うことなどないでしょうけど、
鬱だった頃は物を買ったり所有することが負担だったし、何より判断力が落ちていて
自分の好きなものもよく分からない、というなかなか哀しい状態だったのです。
旅から帰って随分悔やんだのですが、数ヶ月して行った時に残っていたのには驚きました。
縁があったのだと思いますが、好きなものが分かるようになってきた思い出のお皿です。

二枚ありました。こちらは繊細な一枚目より少しおおらかな感じ♪
blog 6313
(直径 10cm)
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