2010/11/08.Mon

松園さん(上村松園展)

blog 6431

11月7日、京都国立近代美術館で始まった「上村松園展」にさっそく行ってきました~。
「序の舞」は11月23日までの前期展示、「焔」がその後の後期展示ということで、
まずは「序の舞」をみるべく・・・。
blog 6433


会場はすごい人です。(久しぶりに超満員の展覧会に行った気がします・笑)
京の人は、上村松園のことを尊敬の念を込めて「松園さん」といいますが、
世代も性別も超えた人気振りはさすがですね。

入ってすぐに「序の舞」が!
こんな大きいのか~とびっくりでした。
今回展覧会を見て、松園さんの代表作は大作が多いんだなぁ・・・と思いましたが、
どれを見ても大きさ故の冗長さとは全く無縁で格調が高く、さすが松園さん、と感動しました。
(月並みですが^^)
それにしてもこれだけ永きに渡って画壇で活躍し、駄作というものがないというのは
才能もさることながら、やはり圧倒的な鍛錬のなせる業なんでしょうね。
「松園さん」と尊敬を込めて呼ばれているのがよく分かりました。

今回たくさんの作品を一度に年代順に見ることが出来、明治・大正・昭和のそれぞれの
松園さんの姿を追うことが出来ました。
明治時代は卓抜した技量ながらまだ松園流の発展途上にある感じですが、
初々しさや、愉しく描いたであろう時代装束の美しさなど、見ていて愉しくなる感じでした。
代表作は嫁入りする娘と母を描いた「人生の花」でしょうか。
私の大好きな、夜長に行灯のもとで愉しそうに読み物を読む妹と、それを気遣う姉を描いた
「長夜」もじっくり見ることが出来ました。
きっと本が好きだった松園さんも幼い頃こんな風に母の側で本を読んだんだろうなぁ。。
可愛らしかったのは「蜃気楼」で、蛤から現れた蜃気楼のお姫様が、波や千鳥の着物に
貝尽くしの帯、といかにも海から現れた幻のようでした。
松園さんの画は着物の文様を見るのもほんとうに楽しい。

大正時代は時代的に絵画芸術の激動期だったからか、松園さんも試行錯誤したようです。
継体天皇の寵妃、照日の前のお能から材をとった「花がたみ」での美しい狂女の姿や、
後期展示予定の源氏の葵上に材をとった「焔」など、「大正」という時代性を感じます。
残念だったのは「娘深雪」が東京会場のみの展示だったことです。

謡曲を題材にしたものは昭和に入ると、「砧」など、より精神的な、静的な表現で完成します。
王朝風の格調の高さに息を呑んだのは宮内庁三の丸尚蔵館所蔵の「雪月花」でした。
個性を最小限に抑え、いかにも献納品といった品格を漂わせていました。
昭和時代の最大の魅力は、市井の女性を題材にした一連の作品です。
「青眉」「母子」「夕暮」「晩秋」など、何気ない風俗を描きながら格調高く、
こういう画はやはり上村松園でなければ描けなかったと思います。
よく言われることですが、画家松園をずっと支え続けた母親との死別が、
これらの作品に昇華したのだといえます。

あと、展覧会ではいくつかの写生も興味深く見ることができました。

松園展について書こうとすると、作品の完成度の高さ故か、どうも教科書的なことしか
書けなくなってしまいますね・・。
でも見終わると、「松園の画」を見たのか、松園さんを見たのか分からなくなるような、
そういう、ある傑出した女性の姿の後を追い続けたような確かな感触が残りました。
画業というのは、自分の真に描きたい物を描き続けるということが、時代を超えていく
ということなのだとふと思いました。

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