2011/11/17.Thu
李朝なら (李朝堅手盃)

李朝なら堅手、どういう訳かずっとそうだった。
本を眺めるのが好きな私は、骨董の本の頁をめくっては、「この中でどれか
ひとつもらえるなら、どれがいいかなぁ」などと勝手に妄想したものだ。
そういうとき、李朝は何故か堅手なのであった。
とはいえ、堅手なら何でも・・・という訳にはいかない。
説明困難なのがもどかしいのであるが、「憧れの堅手」なるイメージが
頭の片隅に、しかし歴然とあるのであった。
けれどそういうイメージ通りのものは、テキトーにうろついたところで、
決して見つかる筈もないのである。
念じていれば引き寄せることのままあるこの世界、「きっと堅手」「いつか堅手」
とイメージアップだけは怠らなかったねちこい私でなのあった。
そんなある日、「先手必勝」なるネット上に、なんと私のイメージ通りの
堅手様が、まだ誰にもツバをつけられずにいらっしゃるではないか。
「李朝は堅手」というのが、多少偏った好みであると自覚していなかった私は、
「売れてないのは何か問題でもあるのか?」といぶかりつつも、
ともかくもと手に入れたのであった。
(きっとこの人は堅手が好きなんだろうな、と思っていた勝見充男さんが、
『骨董屋の盃手帖』で「堅手好き」と明言するより前のことであったので、
当時やっぱり堅手はいくらかマニアックな部類であったのかもしれない。)

さて、憧れの堅手様は片手で「ぎりぎり」と云われる直径10cm、
両手で支えてすいっと飲む分には「ぎりぎり」なのかはよく分からないのだが、
寝る前ちょびっとの私には、なんとこれ「一杯」で丁度よく、そういう意味で
実に使いよい盃なのであった。
おまけになんともかしこいやつで、きたときはまだぎこちない様子であったのが、
不思議とかつて私がイメージした通りに、だんだんに成長するのであった。

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