2012/06/21.Thu

雨露と妄想と (色絵藁屋香合)

だんだんと梅雨らしくなってきた。
足元を濡らして歩きながら、昔の人の仕合せっていうのは、
例えば「雨露をしのげる」というような、シンプルで疑いようのないような類のこと
だったのかもしれない・・・などと思う。

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これは香合で、あまりにニギヤカに色と趣向を凝らしすぎて玩具のようだ。
けれど藁屋というのは見るとなんとなく惹かれてしまう。確かこれ@も藁屋だっけ・・・。
(家形といえば、浅川巧旧蔵の李朝水滴なんかは激しく魅力的なものである。)
藁屋を見ると、どうして田舎家が主題になるのだろう、と思ったりもするけれど、
雨露もしのげて、暮らしがあって・・・仕合せを形にするとこうなるのかもしれない。
(侘び茶の精神はそういうところを拾い上げたのだろう。)
しかしこの藁屋は「侘び」からは激しく遠く、それ故かお値段も随分控えめだった。
出目が???過ぎたようだ。
結構なキズもあったので、直してさしあげたら本体価格と変わらなかったのが哀れである。。
でもまぁここに私のハートを閉じ込めても、雨露ぐらいはしのげるようになったのだよね。

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(高さ5.5cm)

オモテには土間の間口と不思議な黄色い衣服に丸窓、ウラには柴の束。

以下妄想↓
さてこの藁屋がなんであるかというと、?である。(近年の京焼?的扱いで手に入れた。)
屋根が磁器質で建屋は軟陶質という、ちょっと不思議な作りである。
金彩を藁に見立てて薄く引いてあるのが、却ってチープさと新物っぽさを醸し出している
気がする(笑)。・・・結構工程のいる仕事ぶりなのにね。
垢抜けきってないのでこれは都人の作じゃないよなぁ・・・と、何となく京焼説は否定した。
まぁ最後の説は九谷にすればよいか・・・などと思いつつ、ちょっと違う期待を込めてみた。
これってもしや伊万里じゃないの?しかも古伊万里・・・。(いやまた大胆不敵だな。。)
洗ってみたら屋根の蓋裏はかなり伊万里っぽい。使っている色も古伊万里の色だし・・・。
古伊万里にも軟陶胎上絵付っていうのがあるし。
香合っていうのも17C後半によく作られているし、その時代青磁の藁屋香炉もあった。
そう・・・なんと時代をそんなところまで引き上げようとしている自分が恐ろしい。。
(不思議な黄色い服が吊るしてあるのも李朝の陶工のものか?などと妄想を膨らます。)

別にね、伊万里がいいとか時代があるのがいいとか思うんじゃないのだけれど、
もしもその時代の伊万里なら初めてみるもので、その時代の伊万里は色んな技法に
チャレンジした節があるので、なんでもやってみたらこんなものができました!
っていうのだったらほんとに楽しいかなと思うのだ。
いやぁ妄想って自由でいいなぁ^^
(九谷もなんでもやったクチだから、もしかしたらそうなのかもしれないけれど、
九谷にはもうちょっと作為があるんじゃないかと個人的には思っている。)

こんなことをあれこれ考えて、古もの好きって馬鹿だなぁ、とつくづく思うけれど
これぐらい遊べたら十二分に元をとったんじゃないかと思われるのであった。





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